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生徒会長サマの恋人
始まりの朝−生徒会編−
桜が散り、夏に近づいてきたこの時期に新たな物語が始まろうとしていた―――――――

少し蒸し暑い朝。天月学園では生徒会と風紀委員会のメンバーが朝会の準備をしていた。


「日向ー、今日は球技大会について説明するんだろー?」


ソファーでぐったりしながら副会長の緑川隼は問いかけた。

「あぁそうだけど…誰が説明する?」


生徒会長専用の椅子に座りながら俺、池上日向は返事をする。


「ジャンケンとかどう?」


悪戯な笑みを浮かべながら生徒会庶務の夏目翔太は言う。


「そんな適当な決め方じゃ駄目ですよ」

呆れたような声で生徒会書記の月宮綾人は言う。


「綾人の言う通りです。…それに隼、副会長としての自覚はあるんですか?」


少し冷ややかな目で緑川を見ながら生徒会会計の小坂蓮斗は呆れたように言う。

「あるよ!あるけどさぁ…」


言い訳をするかのように言葉を続ける。

「あるけど…なんですか?」


ニッコリと笑いかけるも目が笑っていなく、それに気づいた俺は即座に仲裁に入る。


「まぁまぁ落ち着いて下さい。隼には球技大会の説明をさせますから許してやって下さい」


小坂に頭を下げると顔をあげて下さいと言われ、顔をあげる。


「日向が悪い訳じゃないんですから、頭を下げないで下さい」


「でも…」


言葉を続けようとしたがそれは緑川によって遮られた。


「日向、悪いのは俺だから頭を下げないでくれ。蓮斗さん、すみませんでした。これからは副会長としての自覚を持ちます」


珍しく頭を下げる緑川の姿を見て少しドキッとした。


「隼のわりに丁寧に謝るじゃねーか。もしかしてギャップ萌えでも狙ってんの?」


冷やかすように夏目は言い放つ。


その言葉を聞き、いつも通りの笑みを浮かべながら、『あ?バレた?』などと緑川は笑う。


「ってもう少しで朝会始まるよ」


「急ぎましょうか」

可愛らしい笑みを浮かべながら月宮は言う。これこそ天使の笑み。


「よし、じゃあ今日もいっちょやるかー」


俺のかけ声とともに生徒会のメンバーは拳を突き上げる。



「「「おぉーーー!!!」」」

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