無理な嘘
サーディン side



「そうなんですよ〜水道の蛇口が、はい。」


いろいろ悩んだ結果、よく解らない嘘をついてしまった。ばれていただろうか?
まぁ休みはもらったし、良しとすることにしよう。

流石にあの子を一人にするのは気が引ける




雨の中見つけたその子、いきなり僕の中に倒れこんできたのは昨日のこと。

どうすることも出来ず、とりあえず家に連れてきたはいいものの
熱はあるし
目を覚ます気配もない

まぁ、あの土砂降りの中 ずっと居たんじゃ、な。



「あー、腹減った」


そういえば、その後から何も食べていない
いつもは、もう店にいてご飯もとっくに済ませている時間だ




―そんな事も忘れてしまうくらい君との出会いは衝撃的だった―




お昼を過ぎても女の子は目を覚まさなかった。
店も心配だ。

僕は家を後にした。






2008.05.03 UP
連載『ひとりはみんなの為に』
002 無理な嘘




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