偽り 6 「いってぇー」 「そりゃそうだろ、ボールを顔面に食らえば誰だっていてーよ」 「笑うな」 俺はあの後ヒロに連れられて保健室にやってきた。顔を氷で冷やしている俺は笑いながら椅子に座って、くるくると回っているヒロを睨む。俺はベッドで寝ているが今は先生は不在だ。 「にしてもよ、これからやばいんじゃね?」 回してた椅子を止め、俺にそう言ってきた。 「あー…、…だよな」 …どうすっかな。 俺たちが言ってんのは親衛隊たちの嫌がらせのことだ。生徒会と関わってしまった奴らは有無を言わさず、親衛隊の制裁に会う。 それが例え被害者であったとしても。だから、今回の俺たちのやりとりもその中に入るのだ。あんまり酷いのじゃないとは思うけど。 「…はぁ」 「まぁ、気をつけるのに越したことはねーよ」 「まぁな、いざとなったらあれを使うか」 「そうだな、何事も平和的に」 そう言って俺たちはハイタッチをしてヒロは保健室を後にした。 俺はまだ顔を冷やすため保健室に残った。 「このまま寝よ」 俺はそう言って目を閉じた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |