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偽り
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「…なんなんだよマジで」
「え、それ、剥いじゃうの?」
「こんな変なのしてられっか」
「えー、もったいない」
「……うるせぇ」

俺は急いで絆創膏を剥がそうとした。
くそっ、なかなか剥がれねぇ…。


「…でもさ、それ貼ってくれたってことは景のこと心配してくれてたんじゃない?」


雅のその一言で俺の手が止まった。


「喧嘩した後の景に近づくってのもすごいけど、それを貼るのも勇気いると思うんだよね」
「……」
「うさぎのイラストつきってのは何か悪意が感じられるけど」

そう笑って言ったあと、まぁ、心配してくれたのには変わりないよと雅に言われ、なぜか絆創膏を剥がすのをやめていた。
それよりも、これを貼った奴のことが気になってそれどこじゃなかった。


「………あ、」
「景?」
「…そう言えば、さっき寝てたとき変な奴がいた」
「変な奴?」
「………たぶんあいつだ」
「ふーん、じゃぁ、探したら?」
「……顔忘れた」
「ばか」
「…うっせぇ、俺は興味ねぇ奴の顔は覚えねぇんだよ」

それじゃぁ、諦めてさっさと仕事終わらせてね、とにっこり笑ってそう言い捨てた雅は俺のとこから去っていった。
俺はその場で立ち尽くし、必死にさっき会った奴の顔を思い出していた。だが、どうしても思い出せずまたイライラして壁を殴った。
ふと、横にある鏡を見て、俺には合わない絆創膏が目に映り、俺は頬に貼ってある絆創膏にそっと触れた。

「………」


なんだかよくわかんねぇ気持ちなった俺の中で思い出したことが1つあった。

「……ほくろ」

…そうだ、確かあいつの目の下にほくろがあった。間違いねぇ…。
俺は少しでもあいつの手がかりになるものがわかって思わずにやりと笑っていた。

「…ぜってぇ、見つけてやる」

そう呟き、俺もその場から去った。絆創膏は結局剥がさず、生徒会室に向かった。

仁神side終わり




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あきゅろす。
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