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偽り


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「ヒロー、笑いすぎだって」
「っ、だってさー、まさかあれが効くなんて思わねーじゃん」
「俺だってびっくりだよ、笑いこらえるのに必死だったんだから」
「俺だったら絶ってー笑ってるな」
「かもなー」


俺は保健室を出てからそのまま寮に帰ってきた。教室には一応行ったんだけど時計をみたらもう放課後でちょうどヒロも居たからそのまま寮に帰ることにした。俺とヒロは同室者でよくここで話をする。俺たち以外いないこの部屋は俺の一番好きな場所だったりする。

「ところでさ、ヒロは何もなかったのか?」
「んー、俺は大丈夫だったよ」

今のところなと笑ってキッチンに行くヒロに気をつけろよと言っておいた。まぁヒロのことだから大丈夫だと思うけど。ヒロは何気に賢いから。

「ゆずるも変なやつに目つけられるなよー」
「なんだよ、変なやつって」


ゆずるは危なっかしいからなーと笑って言うヒロに子供扱いするなよと俺もキッチンに行ってヒロの頭をぺしっと叩いた。


「んで、今日のご飯は?」「ゆずるの好きなハンバーグでいきますか」
「また子供扱いしてないか」
「そんなことないですよー、ほらほら手伝って」


わかりましたと言って夕食の準備にとりかかるヒロと俺。食堂に生徒会の奴らが来ないときはこんな感じで2人で夕食を作ったりしている。とは言っても俺は料理は苦手だからほとんどヒロにまかせっきり。これがまた美味しいのなんのって。食堂のも美味いんだけど俺はヒロが作ったのが好き。

「ヒロはいい嫁になるよ」
「ゆずるの間違いだろ」
「なんでやねん」

俺は家事苦手だから無理だっての。てか、男だから嫁っていう時点でおかしいか。まぁ、こんな感じでしょうもない話をしながら作ってんだけど、はたから見たらカップルかとツッコミたくなるようなイチャイチャぶりだ。まぁ、そんだけ仲が良いってことで。




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