それが恋、それが愛 7 **** 「ねー、遥くん、俺って…かっこよくない?」 「え?…いきなりどうしたんだよ」 「ほら、俺モテないから」 「いや、日野は…かっこいいって言うより、」 「…言うより?」 「……かわいい、かな」 「…それ、嬉しくない」 放課後、一緒に廊下を歩いていた遥くんにそんな質問していた俺は、まさかの答えで少し悲しくなった。 かわいいと言われて喜ぶ男は居ないだろう…。 そんな俺にかわいいと言った遥くんはなんとかフォローを入れようと頑張っていた。 そんな遥くんはかっこいい。 「はぁ、俺、あいつに勝ち目ないじゃん…」 「………あいつって椎名カイリのこと?」 「………名前を出さないでくれないか…」 「……ごめん」 名前を聞くだけでイライラする俺は相当あいつを嫌ってる。 なんであんなやつが人気なのかわからない。 顔はめちゃくちゃかっこいいと認めるが、性格はねじまがってる。 みんな気づけ、あいつの正体に。 そんなことを思っていると誰かに声をかけられた。 「ねー、ちょっといい?」 声をかけてきたのは女の子で、その後ろには数人女の子たちがスタンバっていた…。 何か嫌な予感を感じながらも、屋上に来てと言われた俺は女の子たちの後について行く。 遥くんもついて来ようとしていたけど、女の子たちによって止められていた。 俺はそんな遥くんに、遥くんは部活に行ってていいよ、と言って遥くんと別れた。 遥くんはすごく微妙な顔をしてたけど、女の子たちの圧力もあってしぶしぶ部活に向かっていた。 **** 「……あの、俺に何か用ですか?」 屋上にやってきた俺は、数人の女の子たちに囲まれて、すごく帰りたい気持ちでいっぱいだった…。 それに、よく見ると女の子たちは先輩のようですごく睨まれて怖かった。 「あんた、椎名くんとどういう関係なの?」 「………どういう関係と言いますと?」 先輩からの質問があまりにも意表すぎて、俺は普通に聞き返していた。 「あんた、椎名くんと仲良いじゃない」 「…誰と誰…が?」 「あんたと椎名くんよ!」 「えぇぇぇぇー?!」 先輩のあり得ない一言で叫んぶ俺は、敬語じゃなくなっていたことにも気づかないくらい動揺していた。 というか、 どこをどう間違ったらそうなるのか教えていただきたい…。 「あ、あの…1つ言っておきますが…、俺とあいつは仲良くなんかないですよ…」 これだけは言って置きたかった俺は、遠慮がちにそう言って先輩の反応を伺った。 「…嘘、言うなよ、」 「嘘なんかじゃ…」 「…本人が言ってたから間違いないんだよ」 「え、…本人?」 「椎名くんよ」 リーダー的な先輩にそう言われて、俺は放心した。 …あいつが何を考えてるのかわからない。 ただ、また変な嫌がれせをされていると思うと、俺は頭が痛くなった。 [*前へ][次へ#] |