篠田学園-1部-
3
「痛ってぇ…」
何とも奇妙なメンバーで飛行機の客席に座る俺達は凄く目立った。
しかし、そんなのより大変な問題が一つ。
「どした、顔真っ青だそ?」
「頭痛ぇ…」
心配そうに俺の顔を覗き込んでくる秀。
そう、俺は今偏頭痛に悩まされている。
原因は多分、さっきのバスの中で見た夢の所為。
「寝てるか?」
「ん〜、嫌な夢見そうだからいいや、ぼーっとしてる」
俺の隣で本当に心配そうな表情をする秀。
こうゆう顔をしているならちゃんとヘタレに見える。
「嫌な夢?」
ふぅ…と一人安心して溜め息をついたとき、不意に隣に座る蓮から声が掛かった。
「別にたいしたことない夢だよ、よくある」
「毎回頭痛がする…と?」
変に食らい付いてくる蓮に眉間に皺を寄せて睨み付けると、蓮も眉間に皺を寄せた。
「なんか文句でもあんのかよ」
「別に」
俺がそう問うと、蓮は小さく舌打ちをした後顔を反らした。
「ほっとけ、んな事より頭痛薬飲むか?」
「ん、飲む」
秀から頭痛薬を受け取り、水と一緒に一気に流し込む。
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