篠田学園-1部-
4
「馨…夜、なんでコレと?」
切れ長の目を見開き、青いカラーコンタクトを入れた瞳を覗かせる玲也。
ゆっくりと俺の瞳の高さまで上げられた指が指し示していたのは当然、東。
「ちょっと会長と一悶着あったぽいスよ」
「蓮と?」
「あー…ちょっと…」
東にぐいっと背中を押され、半ば無理矢理玲也の胸に抱き着く。
背中に回ってきた玲也の腕は無視の方向で。
「んじゃ俺はここで、お互い話したいこともあるだろうし」
「さっさと帰れや」
振り向くと背を向けてヒラヒラと片手を降る東に俺は小さく溜め息をついた。
そういえば玲也も、再会した時こんな事をして去って行った。
姿形は違えど東と玲也はどこか似ている気がする。
東も玲也も何を考えているか分からないところとか特に。
そこまで思考を巡らせた瞬間、玲也に声を掛けられ意識が現実に引き戻された。
「馨夜、取り敢えず中入るか〜?」
「え、あぁ…」
促されるがままに室内へと入りリビングへと案内される。
そこには2つのティーセットとお茶菓子が。
「誰か来てたのか?」
「東がな…舞蝶ってバレたんだってな、わざわざ報告しに来やがった」
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