篠田学園-1部-
5
「天埜は知らないんだろ?」
不意に真剣な表情で話し掛けられる。
「ん〜、多分」
「じゃあ会わない様にしろよ」
「何に?」
「元祖Butterflyメンバー」
くしゃりと頭を撫でられ、なんだかいたたまれなくなる。
そしてそっと目を反らした。
「うっせ、分かってっし」
「ならい〜けど〜」
秀は小さく笑いながら腕を自分の後頭部に回し、蓮とバーナードに向かって歩き出した。
《キョウヤ、カフェ行くぞ》
《え、今から?》
不意にバーナードから声を掛けられ、聞き返す。
あ、只今の時刻15:30。
一日目の班行動のホテル集合は確か……17:00なはず。
ホント、目茶苦茶だよ。
秀はごく自然に蓮の隣に歩み寄り、眉間に皺を寄せながらバーナードを見ている。
それまでの流れるような動きにある意味凄く感動する。
人の感情って偉大だ。
《アンディの店の近くだ》
《おい、ちょ…》
《行くぞ》
有無を言わせず俺の腕を掴んで歩き出すバーナードに、蓮と秀は苦笑しながら黙ってついて来た。
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