篠田学園-1部-
2
「おら、槇!!座れ!!
もうすぐ着くんだ、少しぐれぇ我慢しやがれ」
不意に前方から暁の怒鳴り声が聞こえる。
外を眺めると、沢山のジャンボジェットが飛び交う飛行場。
あぁ、とうとう来ちゃったよ…
スワロが文化祭に着てから約一ヶ月。
その間いろんな事があった。
例えば生徒会の親衛隊隊長さんからラブレター貰っちゃったり。
中間テストで満点採ったら4位のがり勉君にすっごい嫌がらせされたり。
かと思えばごつい先輩に放課後呼び出されて告白されちゃったり。
でもまぁ、今日まで生きて来れたのは幸か不幸か。
正直イギリスなんて糞くらえ。
行きたくない。
否、行きたいし帰りたいけどあのメンバーで行きたくない。
「篠田、着いたよ」
今まさに溜め息をつこうとした瞬間、槇から声を掛けられてつきそこなる。
恨みがましく見てやろう…と顔を上げると、俺の荷物を持った槇の姿。
「ほら、早くしないと置いてかれちゃう」
ずい、と差し出された荷物を受け取りバスを出る。
そこにはもう殆どの生徒がいた。
槇は案外いい奴なのかもしれない。
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