3 星弥は気が済むほどしゃべくった後、陽の隣ではなく私の隣に座った。 何これ。両手にイケメン? 呆けている私を挟んで、陽は星弥に話かける。 「星弥の新しい同室者誰?」 「なんか俺、あまりもんで今んとこまだ一人」 私がきたから陽の部屋から追い出しちゃったのかな? だったら悪いことしたなあ。 「きいちゃん、新入生代表挨拶するんだよね?外部生が主席とかこの学園始まって以来なんだって」 「え゛、そうなの」 「周りは俺が次席なことに噂はきいの挨拶のことで持ちきりだよ」 昨日もその話したでしょ、と陽は小さく私に耳打ちした。 挨拶が憂鬱すぎる。 突然周りのガヤガヤが静まった。 式が始まったようだ。 豪華な学校の造りとは違って、案外普通な式だった。 まぁ、人数が凄いけど。 私は別に上がり症とかではないけど、流石にこの人数を前に挨拶とか緊張する。 「紀一は堂々とやればいいよ、俺がついてるからね」 「はははっ心強いね」 「新入生代表挨拶」 私は壇上に上がった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |