4 周りは、私の姿に少しガヤついたが、礼儀はなっているようで、すぐに静まった。 校長と目を合わせ、お辞儀をする。 「挨拶、桜もほころび始め――――――――――――ここに挨拶を終わります。新入生代表、浅香紀一」 私は堂々とした態度でもって挨拶を終え、席にもどった。 周りから、息を呑むのが聞こえた。 すると左隣から星弥が 「きいちゃん男前でかっこよかったよ」 右隣から陽が 「流石紀一。俺惚れたよ」 私は照れ隠しに二人の膝を叩いた。 まあまあの挨拶だったかなと自分でも思った。 ここで弱っちそうな挨拶でもしていたら、ナメられる。 それじゃあ陽と一緒にいるのは大変だから。 そして式は最後の生徒会長挨拶になった。 再び会場はザワつき始める。 なんでここでまたザワつくんだろうか。 行儀が良いんだか悪いんだか。 「紀一、耳塞いで」 「きいちゃん、耳塞いでて」 陽と星弥が二人で声を揃えて言った。 よくわからないまま二人に従い耳を塞ぐ。 「生徒会長挨拶」 [*前へ][次へ#] [戻る] |