[携帯モード] [URL送信]



 男の背中を追いかけるように見つめていると、ルオンが驚いたように目を見開き、つぶやいた。
「レイリーさん……?!」
 雑音からその言葉を拾えたのはネオだけだったが、確かにルオンはそう呟いた。
「知り合い?」
 ネオが尋ねると、ルオンは頷いた。
「昔、乗ってた船の副船長だ……ヒューマンショップと聞こえたが、何をするつもりなんだ……」
 明らか心配するような声にネオはルオンを見つめ、乗り出すように言った。
「なら追いかけよう!」
「え、あ、いや……」
「挨拶したいだろ? 俺も行くよ!」
 それだけ言うと答えも聞かず、ネオはレイリーの後を追いかけた。慌てるようにルオンもネオの後を追った。


 *



 途中で見失い、ヒューマンショップの前で待っているとレイリーは首に錠をはめられた状態でそこに現れた。ルオンを見ると信じられないといった様子で、ヒューマンショップへ連れて行かれるレイリーを見つめていた。
 ここで、ネオはヒューマンショップへ入っていく顔ぶれにルーキー達がいるのを見つけ、漫画の記憶とつながる。何処かでみたと思ったレイリーの顔は海賊王の副船長。ヒューマンショップで身売りし、金を巻き上げる、という内容だったはずだ。この中に入ればルフィのおかげで騒ぎになるはずだ。そのことを思い出し、中に入ろうとするルオンを制止する。「ネオ?」
「レイリーさんなら大丈夫だ、多分自分で身売りして、金を取ろうって腹だと思う」
 ネオの言葉にルオンは驚いた顔をするが、少し考えた後確かに、と納得したのか足を止める。
「確実にレイリーさんに会う方法は他にあるはずだ、とりあえずヒューマンショップの外で様子を伺おう」
 ルオンは頷き、二人は裏口で待つことになった。


「なぜ、レイリーさんが身売りしたと思ったんだ?」
 出てくるまでにまだ時間があると思ったのだろう。ルオンが小声でネオに聞いてきた。考えたような仕草をした後、笑いながら言った。
「カジノで金ない、ヒューマンショップ行くかって声が聞こえたんだよねー副船長やってたってことはそれなりに強いから捕まるわけないし、と思って」
 納得するように頷くと、ルオンは何かを考えるように俯く。少し考えた後、ネオに言った。
「レイリーさんは海賊王、ロジャーの船長だったんだ」
 何かを思い出すように言うルオンは懐かしむような顔をしている。
「刺激ある毎日だった。レイリーさんは強くて、憧れだったよ」
 その顔を見ると、ルオンの本心から言っていることだとわかる。ネオは頷き、笑った。
「なら、なおさら挨拶しなきゃな!」
 そんなネオの言葉にルオンは驚いたような顔をした後、笑った。





第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!