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Diary
2010-02-14(日)
それは、小さなオフ会だった

「・・・・・・遅い」

鈍色の雲が空に広がる、全然清々しくない昼下がり。
黒く煤けた作業着を着込み、少し寒そうに身を縮めるメイジアが居た。
お菓子の画がプリントされたガラス張りのウィンドウを背にし、苛々と貧乏揺すりをしている。

時刻は11時になろうかと言う頃。
メイジアがその場に待機していてから約一時間半。分にして90分。秒にして、約5400秒。

・・・・・・何バカなこと考えてるのかしら、私は。

自嘲気味に口を歪め、背後のガラスにもたれ掛かる。

「というか、なんで私はここに来たんだっけ」

思い呟くも、すぐその思考を放棄。
今はそれより、遅れているあの憎き野郎への報復が先だ。

「とりあえずは奴のシールドをぶち抜く兵器の実験台に・・・・・・」

随分と的を絞った実験を脳内で反芻。
様々な仮定を構築しては崩し、ぶち抜き砲を頭の中で組み立てにかかる。

「あの」

「問題はバリアブレイクの付与と」

「あの〜?」

「そもそも、それだけの威力を打ち出す筒と魔力が」

「おーい」

「リンカーコアの代替核を用いて魔力運用を」

「おいってば!」

「む?」

パーツ構成まで考え始めたところで、メイジアは漸く声に気づく。
それは真正面。 さっきまでは無かった筈の壁から聞こえた。
斜めにラインが入り、やけにフワッとした壁だ。

「んむむ?」

いやおかしい、壁にしては弱そう過ぎる。と、メイジアは顔を上げる。

「よ、どうしたんだ? 眉間に皺が寄ってるぞ」

そこには、疑問符を頭にくっつけた待ち人、桐野 結城が居た。
斜めに入ったラインは、肩から下げてるカバン。フワッとしたのはただの上着だ。
身長差から、メイジアには結城の胸板しか見えていなかった。
思考の海にハマっていたメイジアが気付かなかっただけで、割りとさっきから結城は居たことになる。
が、なにはともあれ、


「おっそいのよこのバカ!」

今までの様々なぶち抜き仮定を無視して、彼女は結城の鳩尾にフライングニーを決めた。


「それは、小さなオフ会だった」へのコメント

By アメリカ兎
2010-02-18 00:07
ユズさんの所在地どこですかー(笑)

兎は東北、大まかに言えば
N05A
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By Jo
2010-02-18 22:21
ちくしょう、ただでさえひどい腹痛をもっとひどくさせやがってwww
pc
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