本当は彼女を叩きたかった。だけど俺は男を叩いた。白い頬は赤く腫れあがった。とても痛そうだった。それくらい俺の手もじんじんと痛がっていた。でも男はほとんど表情は変えなかった。俺も変えなかった。
「止めてください!!!」
ただ黙った男たちとは逆に彼女は叫び、男を庇った。そして俯きながら私の性なんです、私の性…と言っていた。
「、ごめんなさい、ツナ…さん」
謝らなくていいよ、俺も悪かった。それが普段俺とハルのケンカの後大抵言う言葉だった。だけど言わなかった。
「ハルは悪くない」
代わりに言ったのはそこにいた男だった。
「悪いのは君でしょ」
俺を指した。
「それから僕かな」
少しだけ申し訳なかったように男は自分も指した。
「君にハルを渡したのが間違いだった。」
淡々と男は言った。それが自分の悪かったところだったらしい。
それでも彼女は自分の性だと言おうとした。だから遮った。
「もういいよ」
初めてこんなに冷たく言い放った。彼女は目を大きく開いていた。
「もう、いいよ。」
「っツナさ、」
俺は二人のもとを離れた。彼女の呼ぶ声がした。だけど男は抱き止めたんだろう。だからただ泣く声しかしなかった。謝罪の言葉が混じっていた。だけど俺は振り返らなかった。必要がないから、彼女に俺は。
こうして俺は俺の部屋を後にした。中では男の名前を呼ぶ彼女の声がした。
「ひ、ばりさん」
俺は彼女を見ていてあげられなかったんだ。
大好きな君に
さ よ う な ら
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最近暗い話ばっかすね。
今回はハルの浮気話でした。ハルがさみしくて浮気しちゃった。ツナは自分にがっかり。
誰視点にするか迷いました。雲雀さん視点で書いたらいいかも
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