[携帯モード] [URL送信]
ぶん
2009-09-15(火)
実は同じ 山とハルと獄



※男の暗さと女の明るさの続き





「なあ、おれ、ハルが好きだ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい、」

ある日の病室は静かだった。それはいつも花束を持ってくる彼が来た時だった。




「・・・気付いてたか?」

「・・・・・・少しだけ」

私はいつかこんな日がくるんじゃないかと思ってました。もしかしたら、ですけど。
冷静を装いつつも実際くると緊張するもんです。

「あはは、意外」

「はひ!?意外ってなんですか?」

「だって、ハル鈍感だから」

なんですか!?それ。しかも『鈍感そう』じゃなくて『鈍感』って決定なんですか。
無意識に頬が膨らんでいたらしく益々笑われた。

「ごく、・・・・他に好きなやつがいるのか?」

「・・・最初の『ごく』ってなんですか?」

アハハ、バレたか、ってまた笑う。この人もよく笑う。
大きな声で、だけど太陽みたいな笑顔で。だから憎めないんだ。バカにされてても。

「いや、獄寺のこと好きなのかなーと思って」

「・・・いえ?」

なんで獄寺さんなんでしょう。確かにケンカするほど仲が良いとか言われますが。
憧れで一番大切な人はボスです。それは今も昔も同じ。(前は恋心もありましたがね。)

「獄寺が撃たれそうになった時さ、」

「・・ああ。」

「普通だったらあんな飛び出せねーよって思って」

彼は少し悔しそうな顔をした。俺も一緒にいたから俺も庇えたらよかった、と
肩から少し見える包帯をちらと見て言った。

「獄寺さんは大切な人です。でもそれは皆さんも大切な人です。
もしも撃たれそうになったのが獄寺さんじゃなくても前に出たと思いますよ。」

「・・・そっか」

「もちろん、山本さんでもです。」

さんきゅ、と彼はまた太陽のように笑った。よかった。
そして、またな、と去っていった。


それから暫く考え事をしていると、獄寺さんがやってきた。
いつものようにフルーツを持って。

「こんにちはー。」

「また来てたのか。」

獄寺さんは飾られた花束を見て言った。

「ええ、そうですよ。」

なんででしょう、獄寺さんなんだか機嫌悪そう。
やっぱり山本さんは永遠のライバルなんでしょうか。

「確かに同じくらいですね。山本さんと獄寺さんがくる頻度。」

いつまでもはりあってるなんて、かわいいですね。


「アホか・・・」

なぜか頭を叩かれた。かわいいもんじゃねーんだよ、とかブツブツ言いながら。
よくわかりません。そして痛いです。


「ったく、髪型変えても中身変わんねーな」

「はひ!?ハルは立派な大人のレデ、」

「でも、俺はいいと思う。髪形も」

獄寺さんは頬杖をつきながら横を向いていた。耳まで真っ赤でかわいいです。
そういえば山本さんが初めてハルの髪見た日も珍しく顔真っ赤でしたしね。
ほんとう、二人はかわいいです。
ほんとうはケンカしてほしくありませんが、最近は仲良くケンカしてる感じがするんですよね。



それにしても、まさか獄寺さんから褒め言葉がもらえるとは。



[*最近][過去#]
[TOP]
[戻る]

無料HPエムペ!