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ぶん
2009-09-14(月)
男の暗さと女の明るさ 綱とハルと獄


※君がいなくなったらの続き











「快方に向かっててよかったよ」

「ありがとうございます。」

ベッドに横になっている三浦ハルは笑った。それにつられてボスこと綱吉も笑った。

「一時はどうなるかと思ったよ」

「・・・ハルもです。三途の川みたいの見ましたもん」

「ええっ!?」

ハルは三途の川は自分がいた方はすごい質素で川を渡った向こう側は華やかだった、と言う。

「向こう側はかわいらしい女の子がいっぱいでお花畑で楽しそうでした。」

「うん。」

「だけど、後ろからものすごい罵声がするんです。オイッだのクソッとか。」

「うん。」

「でも振り返らないでいたら腕を引っ張られて振り返ったら、」

「振り返ったら?」

「目が覚めたんです」

ハルはふふっと笑った。そうかと少し飽きれたように綱吉は笑った。
さっきから笑い合っている二人だが、綱吉は心底心配していた。

「で、もさ、ハル。あんまり無茶するなよ」

「大丈夫ですよっ」

ハルの使命はボスを守ることですからそれまでは死にませんとまたハルは笑った。
綱吉は大真面目に言ったことなのでいまいち笑えずにいる。

「ボスの右腕さんの危機はボスの危機ですからね」

ハルは右腕のことを頼りにしていた。
綱吉は眉を下げながら少し笑った。

廊下からバタバタバタという足音がした。

「あ、噂の右腕さんがいらっしゃったみたいですね」

「・・・だね、ハルのその姿見たらなんて言うだろうね」

綱吉はハルの変化した部分を指した。ハルは照れたように笑った。

「言ってなかったけど、似合ってるよ。ハル」

「ありがとうございます」

そうハルが言った瞬間ドアが開いた。足音に負けないくらいうるさく。


「ちょ、病室なんですからお静かに!」

「獄寺くん、いらっしゃい」


右腕こと獄寺は急いできて頭が回っていなかった。
変化に。そして病室にスタスタと入ってから、

「ども、十代目。おら、みやげもってきてやっ !」

彼は驚いた。

「はひ〜、豪華なフルーツ盛りですね!」

「相変わらずだなあ、ハルは。」

確かに獄寺が持ってきたフルーツ盛りは豪華であった。
だが獄寺は固まっていた。

「、あれ、獄寺くん、どうしたの?」






「どどどどどどどどどど、」


「はひ?ど?」

「あ。」



「どうしたんだ!?その髪」



獄寺は思いっきりハルの髪を指した。
それはいつも横に結ばれていた真っ黒の長い髪ではなく肩までに切られたボブヘアーになっていた。


「っえへ、イメチェンですよ!イメチェン」

女らしさが増したでしょう、とハルは髪を触った。
獄寺は舌打ちをした。それに綱吉ははっきりと気付いていた。もちろんハルも気づいたのだが、

「キレイですか〜?獄寺さん」

「・・なわけあるかあ!アホ女ぁっっっ!!!!」

おちゃらけた質問に獄寺は赤面して
綱吉も苦笑いし、場が和んだ。









「ボス」

病室を出てから獄寺は真剣な顔をした。

「うん」

「あれって俺の、」

俺の性で撃たれたときに髪の毛も一緒に撃たれたんですよね、そういおうとした。

「ハルは、気にしてないみたい。」

病室でハルの様子を見てきていた綱吉は言う。

「誰の性だとかさ。」

「・・・・・・」

「それに、気に入ってるみたいだよ」

綱吉の言葉に獄寺は救われた。ハルは過去を引きずるやつではない、再確認できた。

「ありがとうございます、ボス」

「うん。あとさ、」

「はい?」

「キレイって言ってあげたら?」

綱吉はニッコリ笑った。

「ボ、ボス、おちょ、くんないでくださいっ!!!」

獄寺は赤面していた。
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