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ぶん
2009-09-13(日)
君がいなくなったら 獄とハル



ハルが撃たれた。




それは一瞬のことで理解出来なかった。
マフィアが俺に銃口を向け、そしたらハルが飛び込んできた。

そしてハルは倒れたんだ。
俺は頭が真っ白になって、山本とかが後を追うとか言ってた気がするけど
頭に入らなくて、ただ倒れているハルを見ていた。







「獄寺くん!」

自室に篭っていると我らがボスが血相を変えて飛び込んできた。
名前をあげても顔をあげることしかできなかった。
十代目、そう言おうと思ったが掠れた声しか出なくてやめた。

「・・・獄寺くんの性じゃないよ」

「わかったんです、俺」

この間交渉しに行ったマフィアのとこにいた部下だってこと。
交渉は成立したが、あの部下は気に入らなかったんだろう。

だから俺を狙ったんです。

「・・わかったんです、俺」

女に守ってもらうようなダメなやつだって。

「そんな!ハルはきっと大、」

「すみません、十代目」


俺は重たい腰をあげ頭を下げた。
ボスは何か言おうとしたことはわかってたけど、出て行ってくれた。
一人になかったんです、すみません。

俺、もうボンゴレにいる資格ないです。

これじゃ、ボスも守れない てわかったから。



さようなら、ボンゴレファミリー




「さようなら、ハ」

「獄寺くん!!」

今度入ってきたのは笹川の妹の笹川京子だった。
誰にも入ってきて欲しくないと思ったが彼女は死に物狂いでやってきた、という感じだった。

「ハ、ハルちゃんが、」

「ハルが!?」

「意識、取り戻したって・・」

俺はそれを聞いた途端、笹川に礼も言わず走り抜けた。
ハルが意識を取り戻した
俺は迷わず動き出した。









「おい、ハル!ハル!!」

医務室にいたのは包帯が巻かれて横になっているハルだった。

「・・・ご、・・・でらさ、」

ハルは弱弱しく、かすかに口を動かした。

肩に包帯が巻かれているところを見ると心臓ギリギリ免れたみたいだった。

「ハ、ル」

ハルのこんな弱弱しいところは初めて見た。
ハルは泣く時もうるさく喚く。はひーだとか奇声をあげながら。
だが、ハルにも弱いところはある。だけど全く見せない彼女が強い彼女がいつもいたのだ。
そして俺はみんなはそのハルの強さに救われていた。
ハルのうるさいところや優しいところ前向きなところ元気づけてくれるところ。
彼女は自分の弱さは自分一人で支えてきたというのに、いつも優しい彼女がいた。



涙が出てきた。


「、よか・・・た」

こんな傷だらけになりながら自分の心配じゃなくて俺の心配をする。
バカだ。アホだ。アホ女だ。

ハルは無事な右腕で手を俺の頬に延ばしてきた。
きっと俺の涙を心配してくれたんだろう。
その手を俺はぎゅっと両手で握った。
俺よりも何周りの小さい手を、力強く握った。


「ハル、」


「・・・は・・・い」




「ありがとう」






ハルは微笑んだ気がした。













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