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みんなの日記 小話とか小話にもなりきれない小ネタちゃんと時々誰かの日記。 *****
2014-04-08(火)
こくまのりんちゃん 2と3

Twitter連載話です

2-1話 まいご を ひろう
アキは棲みかの近くにあるどんぐりの樹へリンを連れて来ました。
「どんぐりー!!」お腹が減りすぎてぐったりアキの肩にへばりついていたリンは、どんぐりの絨毯を見つけて目を輝かせます。
「暴れるな」
アキはジタバタ足を動かすリンを下ろしてあげました。

2-2話
ちょこまか動くリンの小さな体の中に、どんぐりが吸い込まれていきます。
「遠くへ行くなよ」樹の幹に背をもたせ、アキはぼっこり膨れていく可愛いお腹を見守ります。
「きいちご!」
時折しげみに赤い実を見つけては、嬉しそうにアキへと見せに来るので、頭を撫でるとほっこり笑います。

2-3話
突然、リンがどんぐり絨毯のまん中でぱたりと倒れました。慌ててアキは駆け寄ります。
悪いものでも食べたのかと不安になりましたが、

「まったく……」
リンはどんぐりのくずを口まわりにつけたまま、満腹感からすよすよと眠っています。

二人を包む陽は、橙色になっていました。

2-4話
プクプク鼻をならし眠るリンを抱いて、アキは寝床に帰ります。暗くなってから森を歩くのはとても危険ですし、リンも眠りこけているので今日棲みかへ帰すのは無理そうです。

「つい拾っちまった」

一匹にしたらひとたまりもないであろうリンを放置するのは気がとがめました。

2-5話
アキはこれまで一匹で生きてきました。

その上、羊である自分がまさか自称クマである生き物と眠る日が来るなど想像もしていませんでしたが、

「ひつじしゃん……」

「ここにいる」

しがみついて離れないリンの温もりは、

とても優しいものでした。



3-1話 こくまをつれて
アキは息苦しさとくすぐったさに目覚めました。 そっと目を開けば、昨日拾ったこくまがアキの上に跨がっています。そして寝てるアキの口の中になにやら詰め込んできました。
「朝ごはんだよ」
「……」
アキはドングリは食べませんし、殺す気かと思いました。

3-2話
起き上がると、アキのまわりにはたくさんのドングリがころころしていました。活発なこくまは朝から一人でドングリのところまで行ってきたようです。
「道、覚えてたのか」
寝癖のくるんとついたリンの頭をアキは無造作に直します。
「おさんぽしてたら見つけたの!」
「………」

3-3話
迷子のくせに散歩してる場合か!とアキは叱りたかったですが、このすっとぼけたこくまには効果がなさそうです。
あくび混じりにアキが立ち上がると、リンも真似してぴょこりと立ちます。
「くだものは好きか」
「すきぃー!!」
その純粋なリンの笑顔にアキも頬が緩んでしまうのでした。

3-4話
朝ごはんを終えたアキとリンは、小川のほとりにいました。
「おっきな水と、おっきな土のまん中でね、そこから出るとパパがおやつ抜きにするの」
手を広げて謎の話をするリンに、アキは耳を傾けます。なんとなく言いたいことはわかりました。
「あの湖そばの山のふもとが棲みかなのか」

3-5話
確かに、その場所にはクマがいて、周りにも危険な動物がいると聞いたことがあります。羊である自分はもちろん近寄りたくない地域です。

悩むアキの指先を、温かい体温が包みました。
「アキ、おうち、しってる?ぼく、かえれる?」

その時、リンの手を握りアキは覚悟を決めたのです。


「こくまのりんちゃん 2と3」へのコメント

By ファントム
2014-04-09 04:49
なんか今までで一番リンちゃんがアホの子に……頑張れ!きっと報われる日は来る………かな〜?
N906imyu
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