みんなの日記
小話とか小話にもなりきれない小ネタちゃんと時々誰かの日記。
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2014-03-24(月)
馨と双子とときどき王子
「音!楽!ただいまぁ!」
久しぶりの実家。
そっと玄関を開き、馨は大きく声をかける。
一瞬の静まりの後、トタトタと足音が廊下に響いた。
「かーくん……?」
廊下の先、リビングからぴょこりと顔だけ出してこちらを観察しているのは、弟の楽だ。
馨が手を振ると、その顔がみるみる輝き出した。
「おとちゃん、かーくんだよ!ほんもののかーくん!」
すると、顔を引っ込めた楽の代わりに、双子の片割れが現れる。
「わぁー!ほんとだぁかーくんだよがっくん!」
それを合図に、駆け寄って来た2人を馨はまとめて抱きしめる。
「久しぶりだなぁ!元気だったか?」
わしわしと頭を撫でられ、2人はきゃっきゃと笑う。
「おとね、おうたひとつ、おぼえたんだよ」
「凄いじゃん!後で聞かせてな。楽は?」
「えっとね、がくも、えほんたくさんよんでるよ」
「さすが楽だ。にいちゃんにお気に入り読んでくれるか?」
「うん!」
可愛い弟と妹に、馨はデレッデレである。
「そんな頑張り屋さんの2人にプレゼントがあります」
「やったぁ!」
手を取り合って、わくわく見上げる2人に、馨は持っていた袋を広げた。
「わぁ…おようふくだ!」
「ぼくのもある!」
それぞれお気に入りの色をすんなり手に取り、じっくり眺めているのを見て、馨はさっそくその場で着させてあげた。
「あー!がっくんのおぼうし、ねこちゃんのおみみついてるよ」
「おとちゃんのも!」
お互いのフードをかぶせ合い、それについていた耳を見つけて、2人はまたきゃっきゃと声をあげて笑った。
「気にいったか?」
「うん!かーくんありがとう」
「かーくんだいすき」
馨の両サイドからぎゅっと抱きついた双子から、頬へ送られたかわいらしいキスのお礼。
「あーもうかっわいいなぁおまえたち!兄ちゃんも大好きだぞ!」
兄弟愛に溢れた幸せな瞬間
そこにパシャリと、小さなカメラ音がひとつ。
「あ、ごめんかわいすぎて、ついね~」
再会を邪魔しないようにと、外に立って隠れていた亮平がにこにことスマホを手に顔を出した。
「へーくんだ!ほんもののへーくんだぁ!」
「きゃー!へーくん!」
「やっほー久しぶり〜」
馨の両手からするりと抜け出した2人が、がっしり亮平に飛びつく。
軽々と2人を抱き上げた亮平が、それぞれの頬にちゅっと可愛らしい挨拶をおとした。
「あぁぁぁあ!なにしてんだ亮平このやろう!」
キュッと怖い顔をする馨をみて、亮平はわざとらしく小さな声で双子に囁く。
「あららー。かーくんがやきもちやいちゃったねー」
するとおませな音がこそこそ話のように、亮平の耳に囁き返した。
「かーくんはね、へーくんのことだぁいすきだもんね」
今度は反対から楽が同じ様に。
「へーくんも、かーくんのことだぁいすき?」
亮平の答えに、馨が顔を真っ赤にして家のなかに逃げ込むのを、残った3人は笑顔で追いかけるのだった。
End
Twitterにてざくろさんにいただいたイラストにお話つけさせていただきました。
素敵なイラストありがとうございました!
「馨と双子とときどき王子」へのコメント
By ちひろ☆
2014-03-25 23:00
かわいすぎる〜(≧ω≦)
N02D
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By ファントム
2014-03-26 01:22
可愛い過ぎ!!二人をお持ち帰りしたくなる可愛いさ(´∀`)
N906imyu
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By だま
2014-03-26 23:08
音ちゃん、楽くん、かーくん可愛すぎっっ!!(〃ω〃)まとめてお持ち帰りしたいくらい(笑)へーくんはなぁ〜…←
pc
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