あなたへの愛でこの両手は塞がってしまった
2011-12-03(土)
ブルーベリーパイと永遠のリズム
このままずっと続くと思うか?そう聞かれたので、永遠に続けば良いと言ったら君は笑った。
「永遠ねえ…本気で思ってんの?永遠とか…似合わねえ」
かちゃん。シルバーのフォークがパイを割いて貴金属の煩わしい音を奏でる。
バニラアイスをトッピングしたブルーベリーパイは一護のお気に入りで浦原の得意料理のひとつでもある。
パクリ。一切れを頬張った時に見せる表情が堪らなく好きで、浦原は前掛エプロンのポケットにタオルを突っ込んでフフと笑う。
「あに見てんだよ」
「美味しそうに食べるなあって」
「フン。事実、うめーからな」
「まあ。嬉しい」
笑った浦原の表情はすごく甘くてそして酷く優しいからブルーベリーパイが好きだと言葉巧みに主張して見せる。全く、自分で言うのもなんだが…少しばかり可愛くない性格だ。
「ずっと続けば良い。」
「ん?」
「ずっと続いて欲しいか?」
「ええ。出来れば君と一緒に」
「…フランス男は口が上手いなあ」
「これでも必死なんだ」
浦原の長い指先が頬を撫でる。
「必死なの」
君を手放したくなんてないからね。金色がそう告げたのに対して一護はフンと鼻を鳴らした。
「あんたのブルーベリーパイは好きだよ」
「あたし自身は?」
「さあ?」
「ふふ。このやり取りも永遠に続けば良いなあ」
フン。照れ隠しに頬張ったブルーベリーパイは仄かに甘くて酸っぱかった。
照れ隠しのブルーベリーパイ
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