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心の臓に触れた棘
2010-12-11(土)
セックスの定義


いやあ、とか細くも悲痛に泣いた彼の声色が首筋から背筋にかけて肌を栗立たせ熱を上げる。
中に埋め込まれた質量が更に増した事を彼は直で感じたみたいでフルフルと首を振るう。その様がとても子供らしくて可愛い。

「いや?なにが、つ、…いや?」

極力優しくて甘い声で囁いてあげる。

「ァ、い…ゃだ…ゃ…ッ」
「いやいやばかりじゃあ、わかんなッ、いよ?」

ゆっくり、ゆっくり抜き差しを繰り返す。悪戯に彼の良いトコロを突いて、業と外して、焦らして。もう、恥ずかしいだなんて思わない様に。
なんて下品な駆け引きなのだろうか。浦原は思うけれど、止めてなんてやらない。心中でうっそりと呟いて舌なめずりをする。だって、この駆け引きが恋愛の醍醐味でしょう?そう言わんばかりに律動を再開させる。

「ァッ、あ…、あッ」
「きもち、良い?」

ねえ、気持ち良いの?
額から流れた汗が頬を伝って顎に流れる。組み敷いた彼を苛めて何時間か経つ。最初の20分くらいで記憶は既に快楽の渦に紛れてしまった。
熱い。思うのは互いの身体に蔓延った熱で、決して劣情が生み出す愛しいと言う感情では無い。
ラブは甘くてセックスは苦い。甘さと苦さの背中合わせだから恋はとても厄介で気持ちが良いものなんだと、子供に教える。

「…ち、良い…ょ、っ」

気持ち良い。キモチイイ。熱に浮かされた彼が狂ったみたいにそう叫んで果てるのがとても好きだ。
何度も吐き出された熱の塊が互いの身体をくっつけようとして粘ついている。
とても卑猥でとても下品な交わりなのに、やはり甘いと思ってしまうのは鳴り止まない彼の声と渦巻く恋情が交じり合ったからだろうか?
瞳から零れた涙を舌先ですくって、体内から吐き出された恋情の味を確かめてみた。心なしか、甘いようでしょっぱい。
まるで子供さながらな恋情に苦笑せざる得なかった。




















ほら、蕩けそうでしょう?


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