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心の臓に触れた棘
2010-12-05(日)
Penalty game


残念だったな。少年らしい呂律の回らない口調で勝敗を決めた台詞を言ってズカズカと心情に入り込んできた。
残念だったな、浦原。三勝二敗。俺の勝ちだ。再び笑った少年の手の平から二枚のカードが乱雑に床下へと散らばってハートのマークを可愛らしく振りまいた。

「さて、罰ゲーム。なんだっけ?」
「……凄い不服なんですが、仕方無い。罰ゲームは負けた方からのキス。些かベタ過ぎやしませんか黒崎サン。一体、どこにキスして欲しくてイカサマなんてしたの?」

全くもって油断も隙もありゃしない。そんな可愛げない子に育てた覚えもなければ下世話な入れ知恵をした覚えも無い。

「正等な勝利だよ僻むなって。」

ニヤリと微笑んだ少年の顔が誰かに似ていたのでゾっとする。
きっとアタシに似たのだこの子は。と自惚れても何ら喜びを感じない。少しだけその笑みが似合ってると思っても口に出してやるものか。

「足のつま先にキスしろよ。」
「……悪趣味な」
「好きだろう?」

ハッ、鼻で笑って跪き許しを請う狩人の様に素足へと口付けた。

「これで、浦原。お前は俺の物だ」
「人を物扱い。一体誰に教育されたの?」

分っている癖に。今度は少年らしい面持ちで微笑んだ。その笑みは似合っているが、子供特有の無邪気さが残酷過ぎて怖い。

























微笑んだのはミスター・ジョーカー。まさにエキセントリック


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