不透明な愛を君へ贈る 2013-05-23(木) 舌先から、愛 ちゅ、とわざと音を立てて舌先を吸い上げるようなキスをする。 覚えが早い子供は慣れたキスに対して夢中な様だ。そろりと小さく瞼を開けてその様を除く大人の狡賢さを子供は知らない。 ん、ん、 頬を真っ赤に染めては無我夢中で貪りつく。下唇を小さい舌先で舐めて、薄く開いた唇から侵入させては浦原の舌先を吸う仕草が堪らなく愛しい。 腰にまわした手をグっと引き寄せるように力を入れれば、施していたキスも自然と深くなる。 「はあ…、ん、んぅ…」 やっとの思いで息継ぎの仕方を覚えた子供の瞼が開く。 とろりと溶けた琥珀色があざとく大人の熱を煽った。 「ん。…見てんなよ…」 見るなとイジワルな事を言われて苦笑する。 子供の湿って艶やかになった色っぽい唇を親指で拭ってあげて浦原は心底溜息を吐き出しそうになった。いけない、気をつけなければ。 油断は命取りとも言えるが、ここで理性が崩壊してしまえば世間様を皆、敵に回してしまうことになる。 「満足しました?」 「ん。」 額に引っ付いた前髪を優しく梳かれ、露になった額へとこれまた優しいキスを施されて子供の琥珀色は更にとろりと溶けた。 ああ…見てらんない。 グっと堪えた大人は損ばかりしているキスのタイム。 子供の蕩けた琥珀色はそろそろ睡魔の色を混ぜて今度は緩やかに怠慢に揺らめくことだろうに。 「もう寝ちゃおうか?」 「ん。」 「ふふ。じゃあお休みなさい一護さん。今夜もイイ夢を」 今度は触れるだけのキスを唇へと施せば子供は小さく笑って目を閉じた。 安心しきった寝息に、やっとここで大人は大層深い溜息を吐く事が出来る。 参ったなあ… 夜の闇にまぎれて大人の弱音が漂った。 キスが最大の愛情表現だと勘違いするキミもまた、愛しくて [*最近][過去#] [戻る] |