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不透明な愛を君へ贈る


2013-05-24(金)
手に届く範囲の獣たち


彼の琥珀色はギラリと物騒に光る。まるで陰を背負って陰をまとって全ての悪を目にしたかの様に、けれどもどこか人間離れしたかの様に、ああアレは獣だと簡単に信じ込ませるくらいには物騒に獣臭く光っていた。
油断を見せたらぐるるとその喉は鳴り、尖った八重歯がこちらの喉仏を食いちぎってしまうんじゃないかと危惧する。恐れ入った、この勝負はジャパニーズチャイルドの勝ちだ。彼の有名な浦原喜助にそう思わせる程度には厄介な人物。
眉間部分に向けたノズルに臆する事もなく彼の瞳はギラリと光り、その口元は不適に笑みを象る。にんまり、音が鳴る。
逆光により彼の表情を全て伺う事は出来ずとも、浦原は自身の置かれた立場とこれから先の顛末を伺う事は安易に出来た。
彼の喉がぐるりと鳴る前に降参しようか、と浦原がそう思った瞬間、獣の後ろで今度は金色のこれまた物騒な光りがギラギラと光りながら現れる。

「よう、クソガキ。うちの大将に何か用かい?」

黒のスーツに黒のワイシャツ、黒のネクタイは先の戦闘で解けてゴミクズと化したのだろう。第一ボタンもどこかに飛んでいき、彼の真っ白い肌が露わになっている。
真っ黒尽くめの浦原と同じ格好の彼は、真っ白くも眩い髪の毛に安っぽい蛍光灯の光を当てて物騒なノズルを少年の後頭部に当ててはぐるりと唸った。
ああ…二頭の獣だ…。
浦原は呑気な事を思いながら、この異様でいて血生臭い光景を見て不思議と恍惚を覚えている自分自身が居るのを心の隅で感じ取る。
欲しいなあ、この子。
悪癖だと散々罵られた手癖の悪い衝動に駆られた瞬間でもあった。








唐突に始まって唐突に終わる戦闘シーンww白様に「うちの大将に何か用か?」と言わせたかった、いったんを戦闘高校生にしたかった、浦原さんを大将にしてみたかっただけのワンシーン。恋愛の絡まない戦闘集団本が欲しいっ(切実)


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