[携帯モード] [URL送信]

不透明な愛を君へ贈る


2013-04-27(土)
ギフトボックスの中身


破った約束の数だけ小指が贈られてくる。丁寧にラッピングが施された愛らしいグリーンの小箱、まるでティファニーを連想させる箱は白いリボンで封をされて届く。
中に収まっているであろう小指の本数を脳内で数えながらしゅるるとリボンを解いた。彼は、まるでとかげの様に切除した場所から再び新たな細胞が生まれてくる能力を持っている。何度も何度も切り落としたであろう彼の小指は綺麗に血を抜かれロウでコーティングされ、新鮮なまま箱へと収まる。3ヶ月前は3本入っていた。切除された小指の一本にささくれが目立っていたので栄養不足か寝不足かが伺える。初めの頃はそりゃあ度肝抜かされた彼からの嫌がらせのなんでもない贈り物(サプライズギフト)。込み上げてくる嘔吐感を無理に飲み込んで散々泣き喚いたもんだ。
慣れと言うのは恐ろしい物で、このサプライズギフトが2年続けば流石の浦原も驚かなくなっていた。ああ、また来たか。この程度の感情で終わらす事が出来る彼からの贈り物。今日は一体、何本の小指が犠牲になったのだろうか。
しゅるりと白く穢れのないリボンを解く。ワンホールのケーキが余裕で収まることの出来る箱の蓋をカコと外して覗き込んだ箱の中身に浦原の金色は全機能を静止させた。
EAT ME,レースが施されたレターにはソレだけが記されている。
箱の中。
ティファニーグリーンの箱の中、切除された小指が収まるサプライズギフト、今回は趣旨を変えたのか、彼の心臓らしきモノがちょこんとお行儀良く収まっていた。
私を食べて、御伽噺の愛らしい台詞を引用したメッセージに今回は吐き気を抑える事が出来なかった。








ちょっとだけ愛らしい行き過ぎた執着心


[*最近][過去#]









[戻る]

無料HPエムペ!