不透明な愛を君へ贈る
2013-04-14(日)
その慕情とやらを、
キスがしたい、衝動的に似た感覚でもって浦原は無意識に一護を見た。
かちあった視線、目と目、オレンジと緑。あ、と思うよりも早く表情に色が乗ったのが自分でも分かった。きっと赤い。オレンジと緑、そして赤。ない混ぜにしたらきっと警告色にもなるソレら。
キスがしたい、思っただけなのに彼と目が合った事で見透かされている感じを味わう。非常に気まずい、たかだかお子様一人にここまで陥ってしまい、果ては赤く頬を染める。とんだ箱入り娘の初心さ加減ではないか。
「あかい、けど……」
「…うるせーっスよ」
「何考えてたんだか浦原さんは」
「……さあて。エッチな事を考えてますねえ」
うそつけよ。子供が笑うから調子がくるってくるって仕方ない。ここまで堕ちてしまった。
うそつけよ、もっと純粋な事考えてたくせに。
何も知らない癖にマセた事を言う子供に瞳を細めた。
雁字搦めになった大人の慕情は、あなたが思っているよりもきっと浅はかでドス黒くて綺麗ですよ。言ってはやらずにキスしませんか?とやや真剣に、問うてみた。
真っ赤に染まる子供の頬に情けなくも緊張してしまった
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