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不透明な愛を君へ贈る


2013-04-15(月)
嘘は嘘

嘘は180度回転させたとしても、水に浸けたところで火で燃やしたところで嘘と言う概念を変える事は出来ないのだ。嘘は嘘、逆立ちしても真実になる事はない。
だが例外もある、と一護は思った。
彼の言う所の「アタシ、キミの事が好きなんスよね〜」の台詞は嘘っぱちだったとしても、一護の言う所の「俺も実はアンタの事死ぬ程好きなんだよね〜」は真実の嘘だ。
真実を敢えて軽い音に乗せれば、それはたちどころに嘘へと変わるのだと一護は学んだ。

「アタシ、黒崎さんの事が好きっスよ」
「ああ、俺も俺も、なんだ俺達両想いな」
「それ…雑誌見ながら言う台詞じゃないっス!どうして信じてくれないんすかー!」
「え?だから言ったろー俺もお前の事死ぬ程好きー」
「素敵に棒読みっス!」
「どうして欲しいんだよめんどくせー大人だなお前」
「そこまで言いますか!?そんな事言うクソ生意気な口には…こうっス!」
「!?」
「はは!見ましたか!?大人の…ほん、き…」

離した唇、真っ赤に染まった頬、少しだけ涙が滲む瞳に心臓が揺れ動く。口付けられた唇を拭いながら、一護は冷めた眼差しで浦原を見た。

「事故って死ね」
「え、黒崎さん…目が本気」
「そんで、死んだらめいいっぱい愛してやるから」

それが俺の本気。
冷たく笑った子供の瞳に浦原はゾワリと何かが体を支配するのを味わった。









ブラックジョークだあ?ばかいってんじゃねーよ、俺はいつだって本気なんだよ阿呆が


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