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不透明な愛を君へ贈る


2013-03-25(月)
モンスターたちの休息


喉を鳴らしてグビグビと飲む。彼の手には160mgのモンスターエナジードリンクが握られている。一気にゴクゴクと飲んでググっと喉を鳴らした。

「モンスターが、モンスター飲んでる」
「…面白くない」

緑と黒のコラボレーション、そして爪で引っかいたようなMの文字が印象的なドリンクを彼はいつだって仕事後に飲み干す。炭酸、好きじゃないと聞いていたのに。いつだって仕事後の彼の手に握られるのはエナジードリンクとフィルターシガレットだ。

「好きなの?」
「なにが」
「なにがって…いや、それさ。炭酸嫌いだからビール飲まないくせに。それは大丈夫なわけ?」
「NOPE」
「はあ?なんなのお前、じゃあなんでいつも飲んでんだよ!」
「…くせ?」
「…くせ?」
「前、一緒に仕事してた人がね。仕事後は必ずと言って良い程押し付けてくんの。まあ上司だったし。断るのは失礼でしょ?だから。くせ」

眉間に皺を寄せながら空になったエナジードリンクの空き缶を見る浦原の瞳はいつもの冷たい瞳に比べれば幾分かは穏やかだった。
柄じゃない。こんな穏やかで柔和な表情なんてあんたらしくない。シニカルジョーカーと呼ばれたあんたが。まるで愛しい者を思い出してるみたいな顔なんて!白崎はググっと眉間に皺を寄せて睨んだ。

「おっもしろくねー!」
「…なにが。別にあんたを楽しませようとしてない」
「お前にそんな顔させんのが面白くねーつってんの」
「顔…?どんな。アタシはいつもこんなんだ」

元の冷たい表情へと戻って白崎を見る浦原の金色には何の色も映し出されていない。いよいよもって面白くない。自覚なしかっての!性質悪いぞこいつ!

「気にすんなよモンスター。ただのジェラシーだ」
「………きっしょくわるっ」

そう言って少しだけ笑ったシニカル・ジョーカーの笑顔ときたら。
白崎は心の中でホールドアップした。













シニカルに笑いたまえ


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