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武田家の日常  武田さん家の日常風景です。大体季節小ネタ。 半分はやさしさ、あとの半分は汗と涙でできております。
2009-12-13(日)
政宗殿の、流れ星

―――星降る夜に、また会える……。


「待ってたぜ、真田幸村。」
「ま…政宗殿!?」

そこは以前、流れ星を見る時に二人が会った丘の上だ。
「前の流星群の時、アンタ結局寝てて見逃しただろ。」
「ううっ。」
「で、今夜revengeしに来るんじゃねえかとな。ここに来ればアンタとまた会える、そんな気がした。」
「某、今度こそは流れ星に願いをお伝えするのでござる!政宗殿も見に来られたという事は、貴殿の願い事もまだ叶ってはいないのでござるな。」
「…いや。…今、叶った。」
「?」
「…何でもねえよ。」

その時、夜空に一筋の光が走った。
「あ!」
「おい、あっちも。」
「あ、お、おや…、」
「ホラ、また。」
「お、お館、あの、天下、を、」
「…何モタモタしてんだ。こりゃ無理だな。」
「ううう…。いざ流れ星の速さに挑もうとすると焦ってしまう。お館様と必ず成し遂げてみせると約束致したのでござるが…。使命を全うせぬままでは武田には帰れぬー!」
「また大袈裟だな…。…OK,少し待ってな。」
「?」

小川へ向かった政宗殿は、兜を外すとそれ一杯に水をすくって戻って来られた。
「中を見ろ、真田幸村。」

政宗殿の兜を手に取ると、その水面には星空が映し出されていた。
「政宗殿…?」

「いいか、今からオレが流れ星を作ってやる。」
政宗殿は再び兜を手に持った。
「この水面の星を、トロいアンタでも楽勝なゆっくりした流れ星に変えてやる。」
そう言って、水の入った兜を傾けていった。

「…その、まさかとは思うのでござるが…。この水を流して“流れ星ー”と申されるおつもりなので…?」
「…!…!!わ、悪いか。」
言い当てられたのが恥ずかしかったのか、政宗殿は顔が赤くなった。

政宗殿は、俺に気を遣ってくれたのだ。
「いえ、政宗殿の流れ星、有難く頂戴致す。」
俺は両手を差し出した。

「いくぞ。」
両の手の中に、星空が映った水が注がれる。
「…おい、願いは言えたか?」
「あ、そうでござった!お館様が天下統一を成されますように…。…。………。」
手の中の水面が揺れてきらめいた。

「綺麗でござった…。感謝致す、政宗殿。」
「Ha,こんなのただの気休めだ。」
「貴殿の優しさが嬉しかったのでござる。…某、欲を張ってしまった。」
「あ?」
「もう一つ、願ってしまったのでござる。
…貴殿とまた、まみえる事を……。」

「…願わなくったってまた会いにいくさ。次会う時こそ、本気で勝負してくれるんだろ?真田幸村。」
「無論!この幸村、いつ如何なる時も全力でお相手致す!」
「Good!良い返事だ。最高のpartyにしようぜ。」

「では、また。」
「…じゃあな。」


けれど、こんなひとときもあっていい。



「政宗殿の、流れ星」へのコメント

By 政宗
2010-03-31 01:14
>香奈恵 (殿)

Ah?アンタもやってほしいのか?いいぜ、いくらでもやってやろうじゃねえか。ただ、アンタには・・・いつかホンモノの流れ星を見せてやりてえな。
pc
By 香奈恵
2010-03-21 17:04
政宗さま、素敵にロマンチストですね!
わたしにもいつか流れ星を!
pc
By 幸村
2010-03-17 00:12
>雛神楽殿

まっこと、政宗殿は某の為に粋な計らいをしてくださる優しい方にござる!
・・・政宗殿?何故ゆえ赤くなっておられるのでござるか?

pc
By 雛神楽
2010-03-04 20:23
素敵でかわいいお話です!
なんだか、とってもあこがれるといいますか…
いいですね!
pc
By 幸村
2009-12-24 13:54
>マユミ殿

ろまんちっく・・・とは、きっと素敵な言葉なのでござろうな。マユミ殿に言って頂けると、某、とても胸が熱くなるのでござる!
pc
By 政宗 
2009-12-24 13:51
>晶華(殿)

可愛いって・・・照れるだろ、男が言われても。
あんたの方がcuteなんじゃねえか?
pc
By マユミ
2009-12-14 20:13
兜から水を流して流れ星っていう発想がすごぃですねv私、そんなロマンチックなこととても思いつきません><絵がほのぼのしててかわいぃです☆
pc
By 晶華
2009-12-13 22:54
可愛いなぁ・・・

この2人、好きだわっvv
W52CA
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