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武田家の日常  武田さん家の日常風景です。大体季節小ネタ。 半分はやさしさ、あとの半分は汗と涙でできております。
2009-10-31(土)
名付けて“火男仮面二号”でござる!


「異国には、“はろういん”という風習があってな。」

「真田の旦那・・・また独眼竜に変な事吹き込まれたの?」
「仮装して特定の言葉を告げると菓子が貰えるのだと。良い制度だ・・・羨ましい。」
「まさか、旦那もやってみたいとか言わないよね?」
「やってみたい!!物凄く!!!さすが佐助、よくわかったな。」
「やっぱり・・・。」
「しかし俺は生まれてこのかた仮装などというものはした事が無い。それでだ。佐助、お前も手伝ってはくれぬか!!」

「・・・はあ。」


佐助の見立てで完璧な仮装をした俺は、お館様の部屋を訪れた。

「た、武田信玄殿とお見受け致す!某の名は“火男仮面二号”!!」

(旦那・・・どっからどう見たってばればれ・・・。)
佐助は物陰から見守る。

「火男仮面二号・・・。いかにも、ワシが甲斐の虎・武田信玄よ。」
「お、おとなしく菓子を渡さねば、悪戯を仕掛けるぞ!」

しまった。これではただの恐喝ではないか。
「菓子じゃと・・・?」

ふぬっ!!

お館様は俺に向かっていきなり斧を振るった。

「!!」
咄嗟にそれを、持っていた槍で受けた。
「よくぞ受け止めた。お主も二槍使いか。」

お館様はさらに斧を振るい続け、俺はそれをかわし反撃に出た。

「見事・・・幸村に勝るとも劣らぬ腕前。気に入った!これを受け取れい!」
お館様は、風呂敷に包まれた何かを投げた。
「こ・・・これは、かの老舗の団子・・・・・・!?
恐れ入ります、お館・・・あ嫌、有難く頂戴仕る武田殿・・・!!」

俺は一礼し、嬉しさのあまり飛び跳ねながら帰った。


「あの・・・大将?」
「佐助か。今のは幸村と後で食おうと思っておった団子だったのじゃが・・・まあ仕方あるまい。
あの男・・・今度幸村と手合わせさせてみたいのう。」

「は・・・はは・・・本気で気付いてないみたいだ。・・・ほんと、似たもの師弟・・・。」

(てか旦那、普通にしてても団子貰えたみたいだよ?)



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