武田家の日常
武田さん家の日常風景です。大体季節小ネタ。
半分はやさしさ、あとの半分は汗と涙でできております。
2009-10-22(木)
流れてしまった星はどこへ行くのでござろうか?
「Shooting star・・・。」
「しゅー?」
「流れ星の事だ。」
俺は政宗殿と二人、流星群を見る為に丘の上にいた。
「本当、アンタとはよく出くわすな、真田。」
「そうでござるな・・・。・・・しかし・・・中々・・・流れませぬな・・・・・・むぅ。」
「アンタ・・・ひょっとして眠くなったんじゃねえか?」
「そ、そのような事はござらぬ!お館様に許可を頂いて昼寝の時間を設けて頂いたのだ、まだ・・・まだ起きていられる・・・ぅ・・・。」
「そうまでして見たかったのか。」
「それより、いざ流れ星が現れる前に、今一度願い事を三回唱える練習をせねばならぬ。」
「アンタの願い事・・・大体想像つくな。」
「本来わざわざ星に願い出るまでもないのでござるが・・・願掛けはしておくに越したことはないと。
お館様が天下統一を成し遂げられますように、
お館様が天下統一を成し遂げられますように、
お館様が天下統一を成し遂げられますように・・・」
「Ha!遅いな真田幸村。」
「な・・・っでは政宗殿は早く言える自信があると申されるか。」
「・・・・・・」
「政宗殿?」
「今言ったぜ。」
「な、なんと!まさかこの幸村の耳には聴こえぬような早さで・・・!?
政宗殿は早口の達人でござる!某、まっこと尊敬致した!」
「そう素直に褒められると照れるもんだな・・・。」
「政宗殿も、御自身の天下統一を願われたのでござるか?」
「No・・・。だが教えてやる、真田。願いなんてそう容易く他人に言うもんじゃねえ。
・・・まあそうだな。どうしても聞きたいっていうんなら教えてやっても・・・。」
「ずご―――っ。」
「って寝てやがる!!」
オレの願いはな・・・真田幸村。
アンタとまた会える事だ。
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