ショートストリー(SS)置き場 読み終ったあとに感想などをくれると嬉しいですm(_ _)m 2007-07-04(水) 騙されて樹海へ(SS) 〉狐に騙されたのは、確か一昨日くらいだった…かな。 久しぶりに夜の田舎道を散歩してるとき、たい焼きに釣られて樹海に迷いこんでしまった。 今思えば、道のど真ん中にたい焼きが落ちてるわけがなかったんだよなぁ。 クソッ、狐に騙されただなんて悔し過ぎる…。 〉まぁ、そんなこんなで樹海を3日間さ迷っているわけだが、今日になって音がかなり近付いたから、もうそろそろ着くはずなんだが…。 「お、やっと見つけた…」 木々が開け、そこは小さな滝がいくつも流れる大きな川へ出た。 「よし、あとは川に沿って下るだけだな」 しかし一体家に着くのはいつになることやら…。 〉川沿いを下ること数時間。日が傾きはじめ、だいぶ疲れもたまってきたところで野宿をすることにした。 もちろん飯は無いし、暖かいベッドも無い。 まぁ、焚き火も悪くわないが、流石に3日目になるとちょっと飽きる。 そういえば、かれこれ3日は風呂に入ってないな…。 川も近いことだし、水浴びでもしようかと思い、重たい腰をあげた。 〉「おっと、先客か…」 月夜に照らされ、美しい女性が水浴びをしていた。 「あら、珍しい。私以外の人がこんなところに現れるなんて」 さほど驚いている様子でも無いが、なんだろう。何か違和感を感じる。 「こんなところで、どうなされたんですか?」 「ちょっと道に迷ってしまいましてね、汗をかいたので俺も水浴びでもしようかと…」 ふと目を下半身にやると、何やら尻の方から狸の様な尻尾がぶらついている。 成程、違和感の原因はこれか、と一人で納得した。 まぁ、相手は狸だから手は出さないが、こんな美人滅多に拝めるものでも無いので、暫く狸の変装に付き合ってやろうと思う。 「しかし貴方こそ、こんなところで水浴びだなんて、珍しい人ですね」 「いえ、私の家はこの近くでして、毎晩、ここでの水浴びは欠かせないのです」 と桶に水をくみ、肩から浴びる様子をやって見せた。 「そういえば、ここら辺で狸を見掛けませんでしたか?」 おやおや、俺に一杯食わす気だな。まぁ、適当におちょくって化けの皮を矧いでやる。 「狸ですか。そういえば見掛けましたよ」 「本当ですか!」 その美人は目を見開いた。そして興奮したのか頭から耳が飛び出た。 これはもう完全に狸! と確信をついたところで 「あんたが狸だろ」と一言。 俺の完全勝利で幕を閉じたはずたったんだが、その美人はクスっと笑い俺に言ってきやがった。 「あんた、狸と狐の区別もつかないのかい?」 ――ボンッ 美人は一瞬にして煙と化し、その煙の中から狐が素早く走りさって行った。 ちくしょう。またもや狐に一杯食わされた。 全部狐の一人芝居だったなんて…。 END ━━━━━━━━━━━━━ はい、久しぶりのSSです。 今日のSSは友達にキーワードを出されたので、それに沿った感じで書きました。 キーワードは【狐】【川】【たい焼き】です。 まぁ【たい焼き】は最初しか使ってませんでしたけど…w まぁ、明日もSSうpするつもりなので、どぞよろしくですm(_ _)m ではでは〜。 「騙されて樹海へ(SS)」へのコメント コメントはありません。 コメントを書く [*最近][過去#] [戻る] |