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ｼｮｰﾄｽﾄﾘｰ(SS)置き場

読み終ったあとに感想などをくれると嬉しいですm(_ _)m

2007-03-30(金)
Spring blue rain (SS)

＞風が悲鳴をあげ、突然の夕立が俺に襲いかかってきた。
もちろん、男の俺が折り畳み傘などを所持してるわけがなく、手に持っている薄い鞄を頭の上にのせ、傘がわりにして走るしかなかった。
別に濡れても構わないが、雨の中では何となく走りたくなってしまうのが心情だと思ったりもする。

＞ここは都心のくせに何も無い。
意味もなく高級住宅街と名乗り、そこに住む奴等は不便だと言う。そんな場所に俺の通う学校が有るのだから笑ってしまう。

＞400ｍは走っただろうか。日々体を動かさない俺としては、そろそろ息が上がってきたところなんだが…。

＞「陸海く〜ん、待ってぇ〜」
息をきらせた俺は、背後から聞こえた声に立ち止まり振り返った。
「おう、楓か。お前図書委員はどーしたんだよ」
楓は傘をさしながら俺のところへ駆け寄って来て、頭からコケた。
バシャーと水しぶきをあげ、楓の全身はびしょびしょに濡れしまった。
「ふわぁ〜ん、濡れちゃったよ〜」
「雨ん中走るからだ」
一応同情はしておく。
「え〜、陸海君だって走ってたじゃんか〜」
俺はお前みたいにドジしないから別にいいんだよ…。それよりもお前、びしょ濡れのままじゃ風邪ひくぞ。
「鞄のなかにジャージがあるから、それに着替える〜」
微妙にヘコんでいる様子だが、着替えるって一体何処で着替えるんだ…？
「近くに歩野村さん、って言う友達の家があるんだけど…」
「そこは俺ん家じゃい!!」
「歩野村さんは優しいから、お風呂も貸してくれると思うな〜」
やっぱりお前なんか風邪をひいてしまえ、なんてことは冗談で言えるが、コイツとは昔からの誼だ、仕方ねぇ、風呂くらい貸してやるよ…。

＞俺の家に着くと直ぐ様風呂を沸かし、びしょ濡れ女を浴室にブチ込んで、「あとは適当にやってくれ」と一言言い残し浴室から出た。
何となく…、ホント何となくだが、年の近い女の子を自分家の風呂に入れるというのは、ちょっと恥ずかしい気もする。
＞「ねぇ〜、陸海君も一緒に入ろ〜よ〜」と浴室から幻聴が聞こえた。
「恥ずかしいから無理」
一応答える俺。まぁ、幻聴だから気にすることは無かったんだけどな。

＞次にびしょ濡れ女の姿を見たときは、上はＴシャツ、下はジャージととてもラフな格好だった。もちろん、もうびしょ濡れでは無いが…。
「陸海く〜ん。洗濯機も借りたから〜」
バスタオルで頭を拭きながら楓は浴室から出てきた。てかお前、制服はクリーニングに出しなさいよ。
「違うよ。ブラとパンツを洗濯機に入れたの」
あーそーですか……。

「………えっ!?」

と思わず声に出してしまった。ちょっと待てよオレ。焦るなよオレ。落ち着くんだオレ。
今俺の頭をよぎった予感が外れていなければ、楓は今、上も下も装着していないことになるが……。
流石にそんな事を本人に聞く度胸は生憎持ちあわせていない。
「あー、陸海君、今エッチな事考えたでしょー」
図星なだけに反論の言葉もございません。などとは口には出さず、「んなわけあるか」と
いつものように流したはずだった…。

＞「でも、私の…………、陸海君に…………」
雨が酷くなってきたのか雷まで唸り声を上げはじめ、楓の声は雷の音で掻き消されてしまった。
「ごめん。雷で聞こえなかった。もう一回言って…」
しばらくの沈黙の後に、楓が頬を赤く染めて言うもんだから、俺もなんかドキッとしてしまった。

「私のハジメテは、陸海君にもらって欲しいな……、って言ったの」

楓はそう言うと、はいていたジャージを脱ぎ捨て、その下の初々しいそれを露(あらわ)にした。
そしてＴシャツも捲り上げ、上のそれも露にした。俺の予想通り、楓は何も身に着けていなかった。
「私ね、ずっと、ずっと陸海君のこと好きだったんだよ。小学のときも中学のときも、そして今も。だけど高校に上がってから、みんな大人っぽくなって、私はあんまり大きくならないし、だから陸海君を誰かに盗られるんじゃないかって、不安だったの…」
「楓…」
俺は一つ呼吸をおき、楓を抱きしめた。
「俺だって、お前が誰かに盗られるんじゃないかって、不安だったよ…。でもな、お前の気持ちを聞いて分かったよ。
お前は俺のもので、俺もお前のもんだ」
楓の涙が頬を伝った。
「ありがとう…、嬉しい」
俺達は唇を重ね合わせた。やっとお互いの気持ちに気付く事ができた。そして見事一つになった。
「楓、ダメだ。もう行きそう…」
「陸海君…、一緒に…、行こう…」


＞カチッ、カチッ。
パソコンの前でマウスを動かす野郎が一人。
「楓ルートクリア〜、まぁ、なかなかの展開ですた…。楓タン、ハァハァ」


END


＞はい、ゲーム落ちでしたｗ

しかし長いＳＳだった。でも、たまにこんなＳＳも良いかもしんないなｗ

では、感想などがあれば、メールが掲示板にヨロシクお願いします…m(_ _)m

　
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