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フリーワンライ Twitterでの週一の60分間のお題をもとにショートストーリーを置いていきます。
2020-09-05(土)
けむり

【第129回 二代目フリーワンライ企画】本日のお題
死んでもごめんだね
二人だけの共通語
ちょっとそこまで
コピーアンドペースト
嘘を付けない人間と嘘つき
この中から一つ以上選んで執筆してください!22:30より開始です
#深夜の真剣文字書き60分一本勝負

[けむり]

夕方を過ぎ、すっかり暗くなった校舎の廊下を二人の男子高校生が歩いている。本来であれば生徒は立ち入り禁止の時間だが彼らは仕事の為その場所にいる。
校内に現れる煙のようなモノを消してくれという事で煙といっても火が出ているだけでなく独立して出現するようだ。
「お前心当たりあるみたいだけどなんだ?俺達がご指名ってことは妖怪とか魔物だろ」
「どっちも似たようなものでしょ。多分妖怪の煙羅煙羅(えんらえんら)っていう煙みたいなものだよ。特に害はないけど見える人には気になると思う」
「へーー」
聞いてきた赤い髪の男、浩二は興味なさそうに返事を返す。
そんな彼を柾美は睨む。
「お前戦いにならなそうだからって手を抜くなよ」
「そういう柾美だっていつもの刀出してねぇじゃねぇか。戦闘にならない任務なんて死んでもごめんだね。だいたい俺はお前と違って正式な陰陽師じゃねぇだろ」
機嫌悪そうに返されて頭にくるが確かに間違っていないと思い出す。
「それもそうだな。じゃあここで待ってて。ちょっとそこまで煙の妖怪に会ってくる」
「おいっスーパーに買い物ようなノリで言うな。待っているだけなんて後味わりぃから一緒に行く。」
文句を言いながらも歩き続けると目の前にぼんやりとした煙の塊が見えてくる。
柾美は呪術の書かれている札を数枚出し煙羅煙羅に話しかける。
「どうしてここにいるんだ?」
煙の塊が動き顔を柾美に向ける。
「知らない。穴に吸い込まれて気がついたらここにいた。」
「やっぱり。じゃあこれからお前を一度この石に封印してから元の世界に返すよ。いいか?」
柾美の顔を黙って見つめ、一度浩二の方も見る。
「嘘を付けない人間と嘘つきだな、お前の事は信用しても良さそうだ。」
「話しがわかってくれて助かるよ」
柾美はウエストポーチより緑色の石を出して煙羅煙羅の体に付ける。
「封印」
言葉の後石に吸い込まれて消えた。
「俺は嘘つき呼ばわりかよ。で、札なんで出したんだ」
「抵抗されたら力で抑えようと思ったんだよ。必要なかったけど。でも浩二が嘘つきなの間違ってないじゃん」
「それもそうだな。じゃあとっとと帰ろうぜ」
こうしてひっそりと事件は解決したのであった。

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