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偽りの名 呵々闘諍の日記(力水の書いたやつ) 決闘時空まとめページ
2012-10-30(火)
決闘時空(デュエルスペース)第四話 Part3

決闘時空 第四話「伝える者」Part3

「「「デュエル!!」」」

「先攻は、そちらからどうぞ。」
「じゃあ、遠慮なくいかせてもらうわ。あたしたちのターン、ドロー!」(手札5→6)
「ドロー!」(手札5→6)
朝比奈と佐野の先攻でゲームがスタートする。佐野は初期手札とドローしたカードを確認した。以前ダークシンクロと対峙した時は手札の状態も悪かかっため、警戒しているのだが、悪くはなく、いつも通りであった。朝比奈の方も手札を確認したが、どこも異常は無かった。
「春彦、あいつ、ダークシンクロとか持ってそう?」
「俺も一回デュエルしただけだ。今は何とも言えん。」
「そう、なら……
デュエリスト能力発動!」
朝比奈は自分たちのデュエリスト能力が封じられたか確認するため、能力の発動を試みた。
朝比奈の能力は自分のターン、対象のプレイヤーに100ポイントの効果ダメージを与えるというもので、1ターンに10回まで使用できる。
これでダメージを与えることが出来れば、朝比奈の能力がマイナスになっていないと証明できるのだが…


愛縷 LP8000→LP7900


「むぅ、僕のライフが!」
「喰らった!?」
「そう…みたいだな。だが、油断はするなよ。手札の《E・HEROバブルマン》と《E・HEROフォレストマン》を融合!」
朝比奈に続いて佐野もデュエリスト能力の発動を試みた。いつも通りならデュエリスト能力で融合召喚が出来るのだが…


《E・HEROアブソルートZero》


「能力が使えた!」(手札6→4)
「やったわね、春彦!」
佐野は自分の場にモンスターを融合召喚出来て喜んでいるようであった。まるで初めて自転車に乗ることが出来た子供のようである。
「先攻1ターン目から強力な効果を持つ融合モンスターが!だけど、先攻1ターン目は攻撃できないよ。」
「能力が使えればこっちのものよ!永続魔法《痛み移し》と永続魔法《悪夢の拷問部屋》を発動、そして、能力を自分に9回使用するわ!」(手札6→4)


痛み移し 永続魔法
自分がダメージを受ける度に、相手ライフに300ポイントダメージを与える。「痛み移し」の効果では、この効果は適応されない。


能力が使用できると解った朝比奈は一気に畳みかけようとする。自分のライフにダメージを与えることで《痛み移し》の効果を発動し、さらに《悪夢の拷問部屋》でダメージを加速させる朝比奈の得意なコンボである。


朝比奈 翔子 LP8000→LP7100

愛縷 LP7900→LP2500


「うおっ、これはまずい!」
「余裕が無くなってきたようね。最初は1ダメージも喰らわないみたいなことを言ってたくせに、もうライフポイントが半分も切っているわよ?」
「翔子、挑発するな。まだ何か隠しているかもしれん。」
「解ってるわよ。でも、これで終わりよ!《ミスティック・ゴーレム》を召喚!そして、《時の飛躍》を発動!」(手札4→2)


ミスティック・ゴーレム レベル1 地属性・岩石族・効果モンスター
ATK? DEF0
このカードの元々の攻撃力は、このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚されたターンに相手が受けたダメージ回数×500ポイントになる。

時の飛躍 速攻魔法
発動後、自分のターンで数えて3ターン後のバトルフェイズになる。


ミスティック・ゴーレムの攻撃力は相手に与えたダメージ回数によって決まる。このターン、朝比奈が愛縷に与えたダメージ回数はデュエリスト能力によるもので1回、《痛み移し》で9回、《悪夢の拷問部屋》で9回の合計19回。よって、攻撃力は9500ポイントになる。
さらに、《時の飛躍》の効果で先攻のターンでありながらも攻撃可能な状況にした。これにより、1ターンキルが完成する。

「春彦、行くわよ!」
「ったく、一緒にターンを進めてるんだぞ!」
佐野は勝手にデュエルを進行する朝比奈に文句を言いながらも、内心ではそれが「翔子らしいな」と思っていた。
「いけ、《E・HEROアブソルートZero》!」
「《ミスティック・ゴーレム》!」
「「ダイレクトアタック!!」」
二人は息を合わせて攻撃宣言をする。佐野が朝比奈の無理やりな行動に合わせられるのも、呼吸を合わせられるのも、長い間共に闘ってきた友だからこそ出来る技である。
「《バトルフェーダー》で攻撃を防ぐよ。」(手札5→4)
二人の止めの攻撃を愛縷は手札から《バトルフェーダー》を特殊召喚し、回避した。追い詰められている状況なのだが、想定していたのか、愛縷はそこまで焦りを見せていなかった。
「《バトルフェーダー》の効果でバトルフェイズは終了、これで攻撃は通らない。」
「ちぃ、防がれたか!」
「一筋縄ではいかないと言うことだな…。」
「だけど、忘れてもらっちゃこまるわよ。今は、3ターン後の未来と言う事を!」
「3ターン後……しまった!」
愛縷は「3ターン後」と聞いて焦り始める。ターン数が経過しているため、朝比奈の能力が再び使用できるようになったのである。
「さあ、今度こそ終わりよ!デュエリスト能力発動!あんたに100ポイントのダメージを与える!」
朝比奈は自分の能力と《悪夢の拷問部屋》のコンボで愛縷のライフポイントを削りに行こうとした。だが、能力の発動を宣言した際、愛縷は不敵な笑顔を浮かべていた。

「デュエリスト能力発動――――――」


朝比奈 翔子 LP0


「しょ、翔子!!」
朝比奈のライフが尽き、朝比奈はその場で気絶し、倒れてしまった。
「いやぁ、駄目だなぁ。油断しすぎ。能力が通ったからって、乱発するのはぁ。」
「いったい、何が起きた!?」
佐野は朝比奈がやられてしまったことで気が動転しているのか、状況をすぐ把握できなかった。徐々に冷静さを取り戻し、場を見てみると、朝比奈のフィールド上にあったはずの《悪夢の拷問部屋》が愛縷のフィールド上で発動されていた。
「それは…!!まさか、翔子のカードか!?」
「ご名答。これは朝比奈さんの《悪夢の拷問部屋》だね。僕のデュエリスト能力でコントロールを奪わせてもらったよ。」
「コントロールを奪う能力だと!?だが、《悪夢の拷問部屋》を奪ったところで翔子のライフポイントを0にすることは出来ないはず……ま、まさか!?」
佐野は現在の状況から考えを巡らせ、最悪のパターンに至った。ダークシンクロのことを知っている者がそれを所持している可能性は高い。だが、自分たちの能力に影響は無かった。それならば、対戦相手の方が影響を受けていたのならば、どうなるのか。
「お前は、デュエリスト能力とヴァンガード能力の二つを持っている、と言うことか!?」
「にゃはははははは!!大正解ー!!そう、僕にはデュエリスト能力とヴァンガード能力があるんだ。しかも、レベルマイナスと違ってデメリットの無い、メリットの塊の能力だよ!」
愛縷はデュエルディスクに搭載されているエクストラデッキから1枚のカードを取り出す。そのカードはダークシンクロの様に黒いカードであったが、禍々しさは感じられず、宇宙の様な神秘的なオーラを漂わせていた。
「ダークシンクロモンスター!?」
「違うよ、エクシーズモンスターだよ。ダークシンクロとは違い、マイナスの能力ではなく、特別な能力、ランクの能力を付与するカードさ!」


炎の聖霊(フレアスピリット)−??? ランク10 炎属性・???族・エクシーズ
ATK? DEF? ???
???
V(ヴァンガード)能力:このカードを所持しているプレイヤーがこのカードをVにしているとき、対象のプレイヤーはデュエリスト能力「ランクX 怒炎我龍(グラムブレイズ)」を得る。(Vにできるカードは1人につき1枚まで。)


「ランクX…だと!?」
「おお、良いところに気付いたねぇ。このランクはデュエリスト能力のレベルと同じように階級があるんだ。最低がランクEでレベル1相当。そして、D・C・B・Aと上に上がっていく。そして、それよりも遥かな上位のランクがこのランクX。X、つまり、10を意味する!!」
「れ、レベル10相当の能力!?」

佐野はただ驚いていた。以前報告にあったクリムゾン・ドラグーンのデュエリスト能力のレベルは6。
そして、その圧倒的能力故に絶対能力と謳われていた。
だが、目の前のデュエリストはそれすら軽く超えるレベル10の能力を所持しているのである。
恐怖どころか、戦慄さえ佐野は覚えた。

「そこまでビビらなくても大丈夫だよ。レベル10相当と言っても、下位のレベルやランクの影響を受けないために数字が飛び出てるだけで、能力としてはレベル5と大差はないから。実際、朝比奈さんを倒した“この能力”も、効果ダメージを跳ね返す能力だったからね。」
愛縷は自分の能力を使い、朝比奈のダメージを与える能力より先に《悪夢の拷問部屋》のコントロールを奪っていた。その後、朝比奈の能力によるダメージを跳ね返した。これにより、朝比奈の《痛み移し》が発動し、愛縷にダメージを与えようとするが、これも愛縷が跳ね返した。そのダメージは《痛み移し》のものであるため、《痛み移し》の効果は発動しないが、戦闘以外のダメージを与えた事によって愛縷の奪った《悪夢の拷問部屋》が発動し、朝比奈にダメージを与える。そして、朝比奈の《痛み移し》が発動し、これを繰り返されて朝比奈のライフポイントは0になったのである。
「さて、続けようか、佐野さん。」
愛縷は満面の笑みを浮かべてデュエル続行の催促をした。

続く
「決闘時空(デュエルスペース)第四話 Part3」へのコメント

By アッキー
2012-10-31 00:29
特殊ルールとは何だったのか・・・もとい、明かされる愛縷の能力!の巻。
コントロール奪取は、相手のデッキがわかっていれば凶悪極まりないところ。
みんな結構デッキを固定していますからねー。
とはいえ、本当に情報量だけで強さが左右されるのかどうかは未確定ですが。

効果ダメージ反射も厄介で、チェーン・マテリアル1キルも通用しないという。
栗間都と違って、ライフが多ければ勝てるわけでもなし。
この圧倒的な相手に、佐野くんは勝てるのか・・・?
負けイベントなフラグもかなり立ってますが・・・。

しかし、V能力の名前が・・・・我龍!?
どういうことなのか・・・。いろいろ想像できることはありますが。
そもそも“闇”である愛縷の切り札が炎属性というのも妙な話。

pc
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By 呵々闘諍
2012-10-31 00:42
>アッキーさん
多対一は多い方が不利なのは伝統ですね。
佐野さんが勝てる可能性は無くは無いですが、絶望的数値です。
だけど、オレイカルコスにも立ち向った佐野さんならなんとかしてくれる!はず…

我龍「おま、人のものを!」
愛縷「コントロール奪取能力があるんだから他人からカードを盗むのなんて容易いさ。」
※どうやらカードを盗んできたようです。(本当かどうかは不明)
pc
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By 千花 白龍
2012-11-13 22:14
愛縷君強い!なるほど…。相手のカードのコントロールを奪えるから、色々と条件付けてもいいって言ってたんですね。相手が多いほど奪えるカードも多くなるから逆に有利になるのか?でもコントロール奪取にも条件がありそうだけど…。まあ、あっても汎用性ありまくりかもしれませんが。回数制限あるかな…?
pc
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By 呵々闘諍
2012-11-14 23:13
>千花 白龍さん
この変則タッグルールは今後もあります。
ついでに、愛縷のコントロール奪取能力は1枚限定でデュエル中1度だけです。そもそも、これだけが能力じゃないので…。
pc
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