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◎ケータイ小説◎ モラトリアム
2006-06-23(金)
第4話<青色、赤色>

また、放課後屋上で空を眺めていた。マサは、本を読んでる。珍しい事もあるもんだ...。
「オイ!!いま失礼な事思っただろぉ。」
「ゴメン、思ったかも。」
マサは、ブツブツ言う。
「なんだ...人がせっかくさっ。お前の為にさ...」
お前の為に?
「チョット、何?気になる。」
すると、マサはカバンからカワイイ袋をだし、私に投げてよこす。
「ほらよ。」
「何?」
マサのニヤケた顔は不愉快だが、気になって開けて見た。
「...えっ?」
綺麗なストラップが入っている。なんでだろう?
「気に入った?花の16歳おめでとさん。」
そうだ、私の誕生日。
「ありがとう...何で知ってんの?って言うか、本当ありがとう。」
涙がでる。
「バカ、泣くなよ。情報源は内緒だよ。ちなみにオレは、10月16日だから。」

誰も...くれないと思ってたプレゼント。それを、マサがくれた。親も忘れている誕生日を、覚えてくれて...プレゼントまで用意してくれて。なんで?
「ねぇ...」
涙をふいた。
「私の隣にいるのって、ただの同情なの?」
するとマサは笑った。
「だから、ココが内緒の場所だからいるって言ったじゃん。お前しつこい。」
私も、笑った。


そんな時、マサがいきなり言った。
「メール来てるよ。」
ポケットが光ってる。笹川君からだ。
《今学校にいる?教室に来てくれないかなぁ?》
笹川君が私を呼んだ。なんだろう?
「あの、チョット行ってくる。」
マサが何か言った。けど、私はもう、走りだしていた。

教室はいつもと雰囲気が違っていた。
「ゴメンね、いきなり。」
「うんん、大丈夫。」
いつもと違う笹川君が、いた。
「どうしたの?」
「うん...あの...さっ」
変だ。なんだろ?窓の方に行った笹川君を追いかけた。
「よし!!言うわ。俺さぁ、」
「うん」
「優希が好き。付き合ってください。」
笹川君、チョット待って。
「...私。」
「どうしたの?」
「私でいいの?」
彼は私の手を握りしめ、そして、言った。
「優希がいいの。」
そして、抱きしめられた。


本当にいいの?と、まだ疑問だった。けど、彼の胸の中で私は、確かにバラ色をみた...気がする。
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