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◎ケータイ小説◎ モラトリアム
2006-06-24(土)
第五話<絆の鎖>

マサに言わせれば、私は幸せ者。
「もう、死にたくナイだろ。」
当たり前だよ。


笹川君は、毎日メールをくれる。帰りも一緒。
「優希は、誕生日いつ?」
「7月14日だよ。」
残念な顔をして言った。
「終わってるじゃん。」
「あはは。じゃ、笹川君はいつなの?」
「10月16日だよ。」
誰かさんと同じだ。
「あっ、でもプレゼントとかいいし。」
「なんで?スゴイあげたいのになぁ。残念。」
彼は笑った。
「残念なんだ。優希って面白いよなぁ。」

幸せ。言葉の一つ一つが幸せだ。でも、怖い気持ちもある。もし、はがチャンのようにいなくなったら?

「ねぇ...」
彼は、心配そうに聞く。
「俺の事、好き。」
何言っているんだろう。
「うん...大好き。」
当然の事なのになぁ。

「ふふふ...ヤバイ。」
「確かに...」
マサは、イチゴオレを飲んだ。
「一人で笑ってキモイ。」
苦笑いをしてる。
「ハイハイ、悪かったね。」
「でも、まぁ、よかったな」
マサは笑っていた。そう言えばコイツ...
「アンタ、恋してんの?」
「...はっ?」
「汚っ。」
イチゴオレが、口から出てる。
「いい加減にしろよ、お前は!!なんなんだよ。」
怪しい。
「もしかして、」
「違う。お前じゃないよ。」
即答
「タイプじゃないし。」
「あっそう」
じゃあ、誰が好きなんだろう?


今日は雨だ。でも、憂鬱は隣の笹川君がかき消す。
「今日はウチに来ない?」
私はうなづいて、一緒にバスに乗った。
笹川君の家は、バス停を5つ過ぎだ所にある。
「こっちに来たの初めてかも。」
「えぇー以外。」
たわいもない会話が最高だった。

家についた時には、月が出ていた。雨はもう、降らないかな。
「遠慮しないでね。」
「うちの人は?」
「旅行に行ったよ。それにオレ、一人っ子だし。」
ソファに座った。
「.......」
沈黙
「優希....」
笹川君にキスされた。そっと...。そして、押し倒された。


私は、アノ行為は好きじゃない。けど、笹川君は私を求めて来る。
求めてくれる。嬉しい。それに、断ったら、いなくなってしまうと思った。
もう、これ以上....。

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