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◎ケータイ小説◎ モラトリアム
2006-06-21(水)
第4話<青色、赤色>

私の生活は、変わらない。ただ、目の前にはがチャンがいないだけ。いつも通り、一人。だけど、変わった事もあった。

それは笹川君。かなり話せるようになった。あと、正浩(マサヒロ)。いつも屋上にいる、黒髪の男の子。
「あっ、またいたの?」
「ゴメン、こっちのセリフ。」
不思議な関係だった。

そんな中、いきなり奴は聞いてきた。
「やっぱ、父親の葬式は泣いたの?」
「はぁ?」
本当にいきなり。聞かれるのも初めてだった。
「泣いてない。」
「なんで?」
「泣くと本当にお別れになるから...って言ってたんだってさ。」
「へぇ...変なの。」

最近よく、死について考える。
はがチャンやパパの死によって、人の死は周りにスゴイ影響を与えるらしい。学校には、TV局が来てすごかった。
でも、やっぱり楽だと思う。はがチャンの言う通り。一人で生きてきた自分にとって、寂しさを感じない事はどんなにイイ事だろう。
けど、まだ死んでないのは、少し希望を持ってるからだった。
「お前さぁ、なんでココに来るの?一人でさぁ?」
「いつも一人だよ、私は。家でも、どこでも...」
マサは笑った。
「お前ってバカだよな。間違ってるって思わんの?マジ面白いし。」
意味わからなかった。間違ってるわけないよ。
「あんたはどうなの?誰か連れて来ないの?」
「ココは、内緒の場所なの」
へぇ...。
本当に彼は一人じゃなかった。放課後、バスケをしてる姿を見る。教室移動の時すれ違ったりもした。友達に囲まれていた。じゃあ、なんで屋上では一人なんだろうか?


夏のある日、私は教室でカンコーヒーを飲んでいた。放課後。暑い。
「いいねぇ。夜は花火ね。」
笹川君と女子二人が話している。コーヒーを飲み干した。
「いたっ。」
誰かに肩を叩かれ、振り向いた。指が刺さる。
「優希も来ない?」
笹川君。
「イイね。優希がいたら人数ピッタリだしっ。お願い!!」
「えっ?何の話し?」
笹川君の指で興奮してた私は、焦りながら言った。

同じクラスのミキが言うには、

もう一人同じクラスの潤子と、同じクラスの男子の松葉とタカ、そして、笹川君で遊ぶらしい。
そこに入ってくれないか?と言っている。
もちろん、
「いいよ。」
「本当に!!ありがとう。」
潤子は声を高くして言った。
「ゴメンな、いきなり。本当に大丈夫なん?」
全然大丈夫。笹川君のその声を聞きたいが為に行くのだから。
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