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◎ケータイ小説◎ モラトリアム
2006-06-20(火)
第三話<急降下+圧力>

式は彼女の家。ひっそりと行われた。おばさんは、大変だねと言ってた。けど、私はそれどころではない。
「.......」
斜め前の人は、20後半の男性。泣いている。彼女の死亡原因。

彼女の好きな人には、本当は婚約者などいなかった。彼女の幸せを願ってた、おじさんの嘘。
しかし、婚約者はいないかわりに、彼女のお腹には赤ちゃんがいたらしい。これが引き金。
悲惨すぎる。

はがチャンは、今幸せだろうか?寂しくなくなると言っていた。
「はがチャン、私は?また一人になるの?」
つい、言ってしまった。あの夜言えなかった事。

また...一人になってしまった。一人でご飯食べて、一人で登校して、下校もお昼も全部一人。
ほら、仲良くならなければよかった。そしたらこんな気持ちにならなかったのに....。

「はがチャン、私も楽になれるのかなぁ?」
屋上で一人でいると、泣けてきた。服からは線香の匂い。私は柵に足をかけた....
「へぇ、お前も死ぬの?」
またあの男の子。
「いたんだ...死なない。気にしないで」
「気にしてねぇし。ただ、お前の親が悲しむよ。」
むかつく。
「親はいないの。いても、死んだ事に気付かないから大丈夫だし。」
私は、足をおろした。
「...意味わかんね。」
「ここにいないの。」
彼はイチゴオレを飲んだ。
「どっかに行ったの?」
「お父さんは死んだ。お母さんは、妹と外国。」
彼は寝転がった。まったく聞いてるのだろうか?
「じゃ、寂しくないの?」
即答。
「寂しい...今は。」
「だから死にたいんだ?」
私は涙がでた。そう、寂しい。はがチャン、私は、君に出会わなければよかった。
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