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「運の価値は人それぞれ。(似山)」
今更ですが、元旦の初詣行列の中で妄想した似山。

こっそりと二人きりで初詣にきた似山。

「おみくじ、引きませんか?」
参拝を済ませ、山崎は人だかりを見つけて似蔵に言った。
二人もおみくじを引いた。
「吉、かぁ…。普通だなー」
山崎はがっかりしながら、おみくじの紙を境内に設けられたおみくじの結び場所に縛り付けた。
「似蔵さんは?」
「代わりに読んでくれないかい?」
差し出されたおみくじを見て、山崎はハッとした。
盲目の似蔵には読むことは叶わない。
当たり前に接しすぎて、つい似蔵の事を思いやる気持ちを忘れていた。
山崎は気まずそうに、差し出されたおみくじを受け取り、読んだ。
「大吉ですよ!」
「そうかい。ありがとうねェ」
口元に笑顔を浮かべる似蔵。おみくじの紙を受け取ると、山崎と同じように結び付けた。
「いいんですか?。せっかくの大吉なのに」
「良いんだよ。俺には凶くらいがちょうどイイさね」
そう言って山崎の腕を掴み引き寄せた。
「厄が降りかかる位の方が、燃えるってもんさ」
「そんなこと言って…。俺にも降り懸かったら、責任とって下さいね」
山崎は恥ずかしそうに、似蔵の腕の中に顔を寄せた。



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