赤い糸
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三日後、神谷に運転だけ頼んで組の運び用の改造車を出して貰った。
安斎さんに言われた場所は見た目は小綺麗な三階建てのビルだった。
案内されたのは地下で、セキュリティも完璧だった。
指紋に網膜。声紋。
神谷も感心していた。
是非とも親父の社長室につけさせよう。
呑気に思いながらついたのは一つの部屋の前。
マジックミラーのようで此方から中の様子が見てとれた。
この間の連絡で聞いた通り頗る元気のようだ。
俺は部屋の鍵を開けてもらい中に入った。
龍之介「よぉ。元気そうだな。」
『龍!!!』
ハモるとは仲良いな。
龍之介「お前らんとこのチームはさぁ。やりすぎた。
今じゃ、クスリや一般の人間まで襲ってるらしいじゃねぇか。」
「うるせぇんだよ。」
「亜久玉さんだって変わったんだ。
てめぇが居たら楽しみながら小遣い稼ぎだってできやしねぇ。
邪魔なんだよ。」
俺は着けてたネクタイを緩めて黒のワイシャツの袖を捲った。
俺が準備をしてんのに奴等は楽しそうに笑ってる。
「なんだてめぇ。小綺麗な顔しながらヤクザの真似事かよ。」
「ギャハハハ!!
喧嘩の度に隅で見てるだけのお前に何ができんだよ。亜久玉さんには可愛くて強い八雲さんがお似合いだぜ!!ッガハッ!!!」
きたねぇ笑い声を上げた男は鳩尾に蹴りを入れれば一発で堕ちた。
靴に鉄板入ってるけど、一発で堕ちるとか根性ねぇなぁ。
堕ちた奴は部屋の入り口に投げやる。
「な、なんなんだよお前っ!!!」
龍之介「なんなんだよ、って龍之介だよ。
ただ、お前らに利用された鏡龍之介じゃない。風間龍之介だ。」
風間の名字と今捕まっている長谷組とで、想像がついたのか顔を青ざめた。
俺はナックルをつけて、カチカチと音の確認をした。
龍之介「お前らやり過ぎたんだよ。
お陰様で長谷組に借りを作ってしまったのと、ケジメつける為に俺一人でお前らのチーム潰さなきゃならねぇから話は終わりな。
後40人残ってるから、無駄話してる場合じゃ無いんだよ。」
「何言ってっガフッ!!」
「ゴフッ!!」
全員一発で沈めていき、手枷をロープで繋げていく。
龍之介「オラッ。起きろ。」
頬をビンタして起こして状況を理解させる。
全員を起こさせて、一言でも口を開けば置いていくと脅せば顔を青ざめたまま必死に頷いた。
ロープを持って外に出れば安斎さんが楽しそうに笑っていて、奴等は怯えていた。
神谷が無表情にロープを引いて車に乗せて事務所を後にする。
チームは全員揃ってるだろう。
あの学園の広いホールに。
これは亜久玉達も出ざる終えないように親父に理事長を脅して貰った。
勿論理事長、安斎さん、親父達は見届け人で、チームの奴等にバレないような所で見てもらう。
病院へ運ばないと行けなくなっても、此処は日常的に強姦やら暴力やらがあるから保健室とは別に医療施設があり便利なのだ。
ガンっ!ガンっ!
バットを床に叩き付ける音がする。
ホールにはザワザワと騒ぐ声が響く。
半数以上は学園外の生徒だから珍しくて堪らないと言ったところだろ。
俺は先に捕まっていた10人を中に蹴り入れれば、各々が違う方向に逃げようとしたのかロープで絡まって転がっていた。
龍之介「邪魔なんだよ。」
俺が避けることなく踏み潰して中に入れば、下からウギャ、とかグエッとか聞こえた。
明るい場所に入れば、色とりどりの頭と服装。
この学園の制服。他校の制服。ジャージやら私服とバラバラ。
まぁ、俺も黒のワイシャツに緩めたネクタイ。黒のスーツズボンだもんな。
手にはナックルつけてっし。
俺が視線を動かせば目当ての二人が出てきた。
一也と、八雲楓。
楓「龍之介!本当に極道だったなんて、なんで本当の事言わなかったんだよ!」
八雲が一也や仲間を庇うように吼える。
一也「態々俺達を呼んで、外にいる仲間に襲わせるのか?」
残念だ。一也。
お前はなにも解ってないんだな。
俺は後頭部を掻きながら溜め息をついた。
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