赤い糸 黒い影 挨拶回りがあらかた終わって数日は俺の年齢や外見で風間組を潰すチャンスと勘違いしている組と小さな小競り合いがあったりして俺は忙しない日々が続いていた。 俺が本格的に組入りすると同時に夜王衆が前線に立つことが一番心労が大きかった。 夜王衆の存在は噂はされど、確信を持って掴んでいたのは安斎さんの長谷組ぐらいだった。 だからか俺と夜王衆の五人が姿を見せれば、最初は嘲笑う者が多かった。 『この人数にその数で殺れると思ってんのかぁ!?風間のお綺麗な御姫さんは頭が弱いのかァ?』 大抵こう言うが、先ず第一声を発したキモ豚はタキに頭を一発でぶち抜かれて絶命。 大抵これで一瞬で静まり返る。 硬派イケメンタキは普段ワンコのように可愛いけど、俺に関しては誰よりも短気で直ぐに手が出る。 そして、逆上して突っ込んで来るのが半分と青ざめて固まるのが半分。 イオ「龍ちゃん!突っ込んできてる奴ら懲らしめにいっても良いよね!?」 早く遊びたいとウズウズしながらイオが俺のスーツを引っ張る。 俺はイオの頭を撫でて、指示待ちのアキを見た。無言で突っ込もうとしてるタキはサキに止められていた。 龍之介「…突っ込んできてる奴らを動けなくなるまで潰せ。 だが、殺すな。」 アキ「畏まりました。」 アキが俺の言葉に返したとこでサキが手を離す。その瞬間タキは敵に突っ込んでいった。 イオ「あーぁぁ!!タキずるい!!」 タキの後にイオが続く。 アキとサキがゆったりと歩きながら乱闘と俺との間に立った。 ヤエは無言で俺の横に立った。 龍之介「ヤエ?」 ヤエ「…最近の抗争誰が裏で絡んでんだァ?」 龍之介「…確信ではい。だが………朽木が動いてるのを神谷が察知した。」 ヤエ「チッ。気狂いか。 龍之介が完全にこの世界に身を落とすのを待ってましたと言わんばかりだな。」 関西の朽木組と言えば知らない者はいないと言われる、関西で最もでかい組。 俺は何故かそこの組長に気に入られている。 ヤエはドス黒いオーラで周囲を威嚇しているのを見てそっと溜め息をついた。 [*前へ] [戻る] |