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小説(長編)
6
俺がそういうと、彰は笑いながら言った。

「確かに俺は落ち着いてるな。慣れもあるし。けど兄貴はとても緊張してる風には見えないよ。」

緊張している風に見えないと言われて、胸がまた少し痛かった。

俺はどうも人から見たら感情が読みにくいらしい。それが幸いして彰に俺の気持ちを知られずにすんでいるのがわかって。
「そっか。あ、マジで時間ないぞ。急げ!」

痛みを我慢しつつ彰を急かしながら俺は体育館へと足を運んだ。

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