妄想圏外区域
不良
「知ってるか?吹雪。この学校にプロミネンスのリーダーがいるらしいぞ」
昼休み。一緒にお弁当を食べていた風丸君が唐突にこんなことを言ってきた。だけど、プロミネンスなんて言われても僕にはちっとも分からない。
口に含んでいたいちごミルクを飲み込んで、僕はおずおずと聞いてみた。
「…えぇと、プロミネンスって…何かの劇団?」
ぶっ、と隣から何かを吹き出す音がした。
げほげほと咳込んでいるのは佐久間君で、どうやら飲んでいたペンギン・オ・レ(原材料不明)を吹き出したらしい。前に座っていた源田君への被害は相当なもので、僕は何と声をかければいいのか分からなかった。
「げほっ、吹雪…お前プロミネンスを知らないのかよ!?」
「…おい佐久間、俺への謝罪はないのか」
「あーはいはい悪かったな」
「………」
佐久間君のばっさりした綺麗な棒読みに溜息をつく源田君。
「あ、あの。源田君、ごめんね…?」
「いや、吹雪が謝ることじゃないさ。…佐久間も吹雪みたくもう少し殊勝にへばぶっ!!」
「黙れキングオブバカ」
机の下で物凄い音がした。きっと佐久間君が源田君を蹴った音なんだろうけど、…大丈夫かな?
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