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「頭痛いー…」
結城が入れてくれたコーヒーを淹れたマグカップから、白い湯気が上がっている。
その横に頭を置いて、斜め下からそれを見る。
思っているより、それは長く上へと昇っていくことに気づいた。
それでも、まるでそこになかったかのように消えてしまう。
無性に、赤い赤い血が見たくなった。
(あーあ。)
やる気が起きないってこういうことか。
今までは言われたことは全て「こなさなければいけない」ことだったから。
退屈だとか、やる気の有る無しは関係なかったけど。
学校に行ったとしても何も変わらないのだ。
真面目に授業を受けてどうする?得られるものなどないのに?
出席日数なんてそんなの俺には関係ない。
だって正直に言ってしまえば、俺が何をしようがここから追い出されることは絶対にないのだ。
でも目立つようなことは、したくない。
周りに人が増えれば、その分共有する時間も増える。俺を知る人間が増える。
それは俺にとってはマイナスでしかないのだから。
「学校嫌だな…。」
「アホかお前、まだ授業すら始まってないぞ。てか昨日なんでいなかったんだよ。」
お、その様子だと結城は始業式に間に合ったのだろうか。
「昨日?迷っちゃってさー。」
この学校無駄に広くない?
散歩するだけの予定だったのにさあ、と言ってみる。
ああ、そうだ。
どうやら結城は俺に興味を持ったらしいので、適当に仲良くしておくことにした。
だってそこで拒絶したら怪しいし。
未来は今までもこれからも一人だけ。
揺らぎそうになるのは、俺が弱いから。
それに気づいたって事も、大きな要因だよね。
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