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在世界一號,
10


「じゃあな!また明日!!」

「ああ。」

「あ、柚、僕の仕事もうないので部屋にお邪魔していいですか?」

「おう!もちろんいいぞ!」

現在、寮の一年生階の、柚の部屋の前。
至近距離で話しているのに何故か耳が痛い。

お願いだから静かにしてくれ。


そういえば、こいつの同室者は平凡であんまり目立たなさそうな奴だった気がする。
それで確か苛められてる、とか何とか。

気の毒だとは思う。
でも逃げようと思えば逃げられるのにそれをしないのも、出来ないのも、
そいつが今までの努力を怠ったからだ。

だから、同じくらい自業自得だとも思う。


「彬は一緒に来ないのか?」

「悪りぃ、まだ仕事あんだ。また今度、な。」

「わかった!」

にこりと半分作り物の笑顔を浮かべると、あっさりと引き下がって部屋の中に入っていった。
耳と首が赤かったのは見間違いじゃないだろう。


どいつもこいつも簡単すぎてつまらない。

大体、笹目があいつを好きになった理由の『つくり笑顔に気付いて怒ってくれた』というのだって、
なんで俺には有効じゃないのか。

それにあいつのアレが作り物だってことぐらい分からないはずがない。

転入生は自分が間違ってないという絶対的な自信があるからそれを言えて、
他の奴らはそうじゃないだけだ。
むしろ転入生の方がたちが悪い。

まあ、笹目なんてどうでもいいから言わないけど。



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あきゅろす。
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