短編小説 あり得るかもしれない未来 3 「あかん。情報にならへん」 翔からの初めての連絡を受け取った翌日、なのははその手紙を学校に持ってきていた。 そして、それを読んだはやての第一声がこれである。 「次にどこへ行くのか予想つけられないようにしてるね」 同じように手紙を読んだフェイトが(手紙から)目を離さずに呟く。 「うん。暖かい所って書いてるけど、もう一度同じ景色だと北海道だもんね」 「時期についても、同じ景色で単純にこの季節と考えて良いか分からないからね。夏でも同じ場所の景色になるし」 「仕事忙しい書いてるから尚更分からへん。流石アンちゃんやな」 「はやてちゃん感心しないでよ!」 「せやかて、これだけ色々書いてんのに、次の場所や時期に関わる事は何一つ分からん。知らん人が読めば何も考えんと書いとる思うやろうけど」 「ここまで情報が無いんだから絶対意図的だね」 「言われなくても分かるよ。けど、」 「わかってるて。わたしらかてアンちゃんの情報欲しいんやし」 「うん。会いたいよ」 零れるような、いや、実際に零れたのだろうフェイトの呟きに、なのはとはやては俯く。 だってそれは 2人も、いや、3人とも同じだから [前へ][次へ] [戻る] |