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幻滅デイリー
ぼくたち男の子3
「それに、福島はグラビア雑誌で必ず巨乳特集を買ってきます」
視線と空気の冷たさに、教師は身震いする。話に割って入り、止めようとするが止まらない。自分の印象を薄くする為になのか、互いが互いを売るという行為にまで発展している。
「それなら、茂木は女を見る時に大体尻しか見ていません!」
「だって、尻くらいしか見る所無くね?」
堂々とした茂木の態度を見て、頭を抱える教師。否定をしろ、そして自分の所で話を止めろと既に願い始める。
「尻って大事だぞ、マジで。形とか質量とか、もう生き様とか出るから。それに、子供を産むのには安産型ってのが好まれてさあ──」
「はいはいはい! ストップ、ストーップ!」
パンパン、と手を叩いて発言を妨害する教師。漸く止められる、とホッとした瞬間だった。茂木も例の如く、次へと上手く繋げる。
「苗村は、手ばっか見てね?」
「ちょ……っ、コラ、茂木くん!」
流れは、完璧に終わらない様だ。授業も進まないし、脱線するし、止められないし、雰囲気は険悪になるしと八方塞がりである。教師は、既に諦めかけていた。
「でも、手こそ生き様だろ? オカンが言ってたけど、手でどんな仕事しているかとか解るし」
そう言って、苗村は自らの手をけだるげにヒラヒラと振った。

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