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幻滅デイリー
ぼくたち男の子2
「他に、質問とかあるかな?」
グダグダになりつつも、国語教師は『源氏物語』の授業を続けていた。すると、また一人の男子生徒が手を挙げる。
「何だ、女子はあんまり『源氏物語』は好きじゃないのかな」
軽く言いながらも、教師は突飛な質問が出ないかと冷や冷やしていた。しかし、手を挙げられたら一応は指名しなければならない。これが、生きた人間の子供を相手にするという怖さなのだ。
「はい、高橋くん」
「光源氏もロリコンだと思いますが、沼岡もロリコンです」
紫の上の事か、よく読んでいるなと思いながらもそんな他の生徒のカミングアウトは要らないと内心毒づく。そして、それに沼岡が反応する。
「それを言うなら、福島は巨乳好きです!」
ロリコンは否定しないのかよ、と教師は冷や汗をかきながら場を収めようとする。けれども、こうなれば現場は炎上の一途を辿るのみである。女子生徒の冷たい視線を浴びながら、教師は取り乱していた。まさか、『源氏物語』でここまで白熱するとは思っていなかったというのもある。なぜなら、今の生徒は古典に興味を無くしつつあるからだと勝手に判断していたからだ。そして、沼岡の発言に福島が椅子から立ち上がった。

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